
で、ここに登場した新作。中核David Paichがツアーから退き、代わりにGreg Phillinganes加入という、嬉しくも意外な展開を挟んでの登場と相成ったワケだが。結果から言っちゃうと、路線的にはほとんど変わらず。確かにアンサンブルは強化されたものの、期待されたような黒っぽさはあまり表に出てこなかった。彼はQuincy JonesやJacksonsらのツアーでもバンドマスターを担ったほどの人だけれど、一方でEric Claptonとも渡り合うだけに、きっと起用すぎちゃうんだな。だからTOTOに変化をもたらすというより、TOTOの既定路線に溶け込んでしまった気がする。巷では「近年の最高傑作」と言われるけれど、確かにその言葉に偽りはない。かなり周到に作られた力作だし、Lukeが「これが最後のアルバムになっても悔いはない」と言ったのも理解できる。旧メンバーのJoseph WilliamsやSteve Porcaro、ChicagoのJason Scheff、何故かIan Undetson(Jethro Tull)など、ゲスト陣の参加も嬉しいところだ。ただ問題なのは、一部から常々問題視されているように、今の彼らの方向性を素直に受け入れられるかどうか…だ。
そういう意味で言うなら、カナザワ的にはファーストや『TOTO IV』を越えるモノでは全然ない。イヤ、『SEVENTH ONE』までの彼ら、といってもイイかな。要するに楽曲的な魅力がもうひとつで、それを緻密なアレンジとアンサンブルで補っている印象なのだ。結局アメリカで受けなくなったのもそこに最大の原因があるのは明白だし、今回プログレ・ハード色が濃くなったというのも、その証し。ルークの“クラシックTOTOの復活”というセリフには首を横に振るしかないし、日本でいう"AOR"のイメージからは程遠くなった。ただSteveが音作りを手伝ったためか、往年のサウンドっぽい部分が増えたのは事実。でもそれが、かつてのプログレ・ハード的な方向性として顕著になったワケで、決してAORっぽいワケではないのだ。
それこそメンバーの評価が高いLukeのバラッド<Simple Man>にしても、間違いなくイイ曲ではあるが、かつての<I'll Be Over You>や<I Won't You Hold Back>に比べると「……」になってしまう。アフリカン・グルーヴを用いた<Bottom Of Your Soul>だって到底<Africa>には及ばず、せいぜい<Mushanga>止まり。結局、今回のTOTOもカナザワが言う”産業ロックとメロディック・ロックの違い”にハマッたままなのだ。それこそ幾つかDiane Warrenの曲でも演ってれば、また違った展開になってただろうけど。ここまで完璧に近い体制に戻してるのに、どうも最後のワンピースが足りない。それはもはや亡くなったJeff Pocaroというよりは、曲作りのスペシャリストだと思うのだ。今回はジャムから生まれた曲が多いというのも、なるほどね!である。
「これが今の彼らなのだ」と言われれば、「ハイ、そうですね」としか言えない。客観的に判断すれば、かなりの高評価にもなる。でもカナザワが求めている、そして往年のファンが求め続けるTOTOとのイメージの差は、一向に縮まっちゃいない。 『FALLING IN BETWEEN』なんてタイトルだって、何だかなぁ…。作品的には良くできているけれど、オールド・ファンにはチョッと歯痒い。そんな新作なのである。さて5月の来日公演はどうしよっかな〜。
そういう意味で言うなら、カナザワ的にはファーストや『TOTO IV』を越えるモノでは全然ない。イヤ、『SEVENTH ONE』までの彼ら、といってもイイかな。要するに楽曲的な魅力がもうひとつで、それを緻密なアレンジとアンサンブルで補っている印象なのだ。結局アメリカで受けなくなったのもそこに最大の原因があるのは明白だし、今回プログレ・ハード色が濃くなったというのも、その証し。ルークの“クラシックTOTOの復活”というセリフには首を横に振るしかないし、日本でいう"AOR"のイメージからは程遠くなった。ただSteveが音作りを手伝ったためか、往年のサウンドっぽい部分が増えたのは事実。でもそれが、かつてのプログレ・ハード的な方向性として顕著になったワケで、決してAORっぽいワケではないのだ。
それこそメンバーの評価が高いLukeのバラッド<Simple Man>にしても、間違いなくイイ曲ではあるが、かつての<I'll Be Over You>や<I Won't You Hold Back>に比べると「……」になってしまう。アフリカン・グルーヴを用いた<Bottom Of Your Soul>だって到底<Africa>には及ばず、せいぜい<Mushanga>止まり。結局、今回のTOTOもカナザワが言う”産業ロックとメロディック・ロックの違い”にハマッたままなのだ。それこそ幾つかDiane Warrenの曲でも演ってれば、また違った展開になってただろうけど。ここまで完璧に近い体制に戻してるのに、どうも最後のワンピースが足りない。それはもはや亡くなったJeff Pocaroというよりは、曲作りのスペシャリストだと思うのだ。今回はジャムから生まれた曲が多いというのも、なるほどね!である。
「これが今の彼らなのだ」と言われれば、「ハイ、そうですね」としか言えない。客観的に判断すれば、かなりの高評価にもなる。でもカナザワが求めている、そして往年のファンが求め続けるTOTOとのイメージの差は、一向に縮まっちゃいない。 『FALLING IN BETWEEN』なんてタイトルだって、何だかなぁ…。作品的には良くできているけれど、オールド・ファンにはチョッと歯痒い。そんな新作なのである。さて5月の来日公演はどうしよっかな〜。
いやいや、さすがは同年代です。
言いたい事を全て代弁していただけてますよ。(笑)