
でも実はカナザワ、Nora Jonesのブレイクに引きずられたような日本の女性ジャズ・シンガー・ブームは、かなりクールに引いて見ている。というのも、何だがムードやキャラ先行のヒトばかりで、何をどう歌いたいんだか、自分でも分かってないような気がしてしまうから。なのでnoonもデビュー時は「またかよ!」と思った。が、実際に聴いてみて「ムムッ!! コイツは違うカモ」と軌道修正。そして偶然ライヴを観るチャンスがあり、その歌声の存在感、圧倒的な引力に唸ってしまった。特別イイ声とは思わないし、然したる特徴やスキルがあるワケではないんだけれど、作り込まずにトコトン自然に歌っていながら、いつの間にか自分の世界を築き、そこに聴き手を呼び込んでしまう。そんな不思議で新鮮な個性なのだ。イヤらしくないから、子供たち向けのライヴ企画をやっても好評を得る。特に衝撃的だったのは、去年出たビートルズのララバイ・カヴァー・アルバム『APPLE OF HER EYE〜リンゴの子守唄』(詳細はココ)。そこでは10人の歌姫たちが、思い思いのビートルズ・ソングを子守唄風に歌っている。noonはそこで<Sun King>という、地味だけどやたら難しい曲をチョイス。純真無垢な魅力を全開にし、ボクをメロメロにしてくれた。したがってニュー・アルバムでも、彼女らしい作りになっているかどうかが最大のポイントだった。
話によれば、今までの2枚は紅茶のイメージで作ったが、この新作『smilin'』はコーヒーのイメージとか。具体的にはトランペットを入れたり、ニューオリンズっぽいアレンジにしたり。すなわちチョッとだけビターな感覚を取り入れて、それでも好きと言わせたいみたい。要するに彼女の素の姿、普段の好みを取り込んでみた。日だまりを思わせるジャケも、ほんわかイイ感じである。
収録曲にはお馴染みのジャズ・スタンダードに加え、James Taylorの著名曲カヴァーや映画のテーマ曲なども。個人的にはホーボー・ソング<500マイル>にシビレた。いずれにせよ、50曲以上の候補の中から厳選しただけあって、どれもnoonらしい仕上がりだ。そしてボーナス・トラックには、noon初の日本語曲(アルバムでの)である<涙そうそう>がある。でも実際のところ、ボーナスというのはまやかしで、これからは言葉に拘らずに好きな曲を歌っていくという意思表明だそう。これは韓国にルーツを持つ彼女ならではのアイデンティティかも知れない。喋り方同様、意外と不器用というか頑固というか…、そんな一面があると見た。もちろんカナザワ的にはそれでもオーケー。彼女は「聴き方はみなさんの自由。ミルクを入れても、砂糖タップリでも…」なんて笑ってたが、ボクの好みは元々薄めのブラック。もっともっと素に近くても、ぜんぜん大丈夫だよ〜ん。
話によれば、今までの2枚は紅茶のイメージで作ったが、この新作『smilin'』はコーヒーのイメージとか。具体的にはトランペットを入れたり、ニューオリンズっぽいアレンジにしたり。すなわちチョッとだけビターな感覚を取り入れて、それでも好きと言わせたいみたい。要するに彼女の素の姿、普段の好みを取り込んでみた。日だまりを思わせるジャケも、ほんわかイイ感じである。
収録曲にはお馴染みのジャズ・スタンダードに加え、James Taylorの著名曲カヴァーや映画のテーマ曲なども。個人的にはホーボー・ソング<500マイル>にシビレた。いずれにせよ、50曲以上の候補の中から厳選しただけあって、どれもnoonらしい仕上がりだ。そしてボーナス・トラックには、noon初の日本語曲(アルバムでの)である<涙そうそう>がある。でも実際のところ、ボーナスというのはまやかしで、これからは言葉に拘らずに好きな曲を歌っていくという意思表明だそう。これは韓国にルーツを持つ彼女ならではのアイデンティティかも知れない。喋り方同様、意外と不器用というか頑固というか…、そんな一面があると見た。もちろんカナザワ的にはそれでもオーケー。彼女は「聴き方はみなさんの自由。ミルクを入れても、砂糖タップリでも…」なんて笑ってたが、ボクの好みは元々薄めのブラック。もっともっと素に近くても、ぜんぜん大丈夫だよ〜ん。