3ebd4bb4.jpgビル・エヴァンスぢゃありません。「いつものよおぉ〜に幕が開きぃ〜♪」(@喝采)の、ちなきなおみです。でも単なるパクリぢゃない。ちゃんと意味のあるオマージュですね。オリジナル・リリースは78年。うわぁ〜、やっぱこの頃は和モノは面白いですね。洗練とかクロスオーヴァーという大義の下、自由な発想で音楽が作られてる。ちあきなおみだって、演歌!ってわけじゃあない。でもジャズ・スタンダード集ってワケでもなく、オリジナル・アルバムってぇのがミソかな。

作詞・作曲は河島英五と友川かずき。そしてアレンジにミッキー吉野ほか。バックは当然タケカワユキヒデ抜きのゴダイゴで、しかも全曲担当。それがズバリ購入動機。『Light Mellow 和モノ699』を作った時に、ライター陣の一人に勧められて以来、ずっと気になってはいたのだが、それほど真剣に探したワケでもなく。それがある日、ヤフオクで突然目の前にニュ〜ッと現れたから、これも何かの縁だろうと思って、すかさずゲット(安かったし…)。

それでも未聴の山をスッ飛ばし、到着してすぐに聴いたのだから、やっぱ期待と不安が入り乱れてたのは否定できず(苦笑) でも、ちあきなおみって、演歌というより歌謡曲の人でしょ。コブシを廻すわけじゃないし、結構ポップスの要素が入ってる。青江三奈をアク抜きした感じで、ちょいブルースっぽい感じもある。

だからこうした洋楽チックなアルバムを出すのも、なんか納得。ヴォーカルはやっぱり「ちなきなおみ」だけれど、時々ギュッと心掴むような表現があってビックリ。声を震わすシャウト気味のヴォーカルとか。それこそ、3分間で完結する歌謡曲の世界からは確実にハミ出していて、彼女のソウル、スピリットを感じる。そういえば、そちらの世界では「情念の女(ヒト)」なんて言い方もされてるようですね。<普通じゃない>なんて曲は、まさに普通じゃないっスよ。

演奏はさすがにゴダイゴ。かなりメロウで、曲によってはなかなかグルーヴしてます。日本のTOTOなんて表現は、パラシュートよりもゴダイゴの方が似合うかもよ!