b3dcff5e.jpgRenajaのレコーディングも大詰めに入ったが、発売日も見えて来たということで、いよいよプロモーションがスタート。カナザワも駆り出され、渋谷某所でバイヤーさんに会って来た。その後スタジオ入りし、今日はバンド編成での生録。この日の録りではカナザワの意見もかなり反映され、ムフフ、上がりが楽しみ。でも帰宅が深夜になっちゃって、うぅ〜、これじゃライナーが進まん…(泣)

ライナー・ネタは昨日に引き続きエイミー・ホーランド。しかしこのアルバムって、後の旦那であるマイケル・マクドナルドは別にすると、どうしてもポール・ブリス作の<How Do I Survive>で語られちゃう。でも実際はスティーヴィー・ワンダーの<I'm Wondering>とかダン・フォーゲルバーグの<Stars>、マシュー・ムーア<Looking For Love>など、なかなか幅広いカヴァーが入っているのだ。最後の<Forgetting You>は、1920年代のスタンダード・ポップスだし。

え、マシュー・ムーアは知らない? あ、この人はジョー・コッカーとかとやってたL.A.スワンプ系のシンガー・ソングライターですね。お兄さんがかのダニエル・ムーアで、スリー・ドッグ・ナイトとかのソングライターとして有名。

そしてクレジットを見て、「あぁ、そういえば…」と思い出したのが、<Strengthen My Love>を書いていたティム・ムーア。そう、かつてダリル・ホールと一緒にガリヴァーを組んでいた御仁です。彼はN.Y.出身ながら、ビートルズとかエルトン・ジョンなど、英国風味のポップ・センスを持った人。ベイ・シティ・ローラーズの<Rock & Roll Love Letter>も、こちらのムーアさんの作品だった。74年にソロ・デビューし、80年代初頭までに5作品をリリース。これらは既にエアーメイルで紙ジャケ化がなされている。

で、この77年作『WHITE SHADOWS』は、彼の3枚目の作品。もちろん<Strengthen My Love>が入ってるが故のピックアップだ。AOR系のファンには、以前からメンツ買いの対象になっていた一枚。その一部を並べてみると…

Jeff Porcaro, Harvey Mason, Lee Sklar, Wilton Felder, David Hungate, Bill Payne, Craig Doerge, Fred Tackett, Elliot Randall, Ernie Watts, Joe Porcaro, Tom Snow, Wendy Waldman, Renee Armand, John Townsend, Rosemary Butler, Flo & Eddie, Timothy Schmit, そしてそして、Michael McDonald と、豪華絢爛・君は薔薇より美しい!?
要するにマイケルはココでコーラスをつけたティムの曲を気に入り、エイミーにカヴァーさせたのだな。

ただ上記メンツでお分かりのように、このアルバムに限ってはティムの本領はチョイと影を潜めており、ググッとウエストコースト寄りになっている。まぁ、そこがAORファンに喜ばれたりするのだが、雑食カナザワはやっぱしファーストの方が好きかな。メンツは良い方がイイけど、参加ミュージシャンはあくまでイイ音楽を作るためのパーツなワケでね。メンツ買いのココロは、良い音楽、良い作品にたどり着くための手段であって、決して目的ではないと思うですヨ。

でもこの曲は、ティムはダリルとやって頃のフィリー・ムードを意識して作ったというだけあって、ゆるやかなソウル・フィールを感じる好曲。ハーヴィーとウィルトンというリズム隊もこの曲だけのために呼ばれていて、ティムの思い入れの強さが窺い知れる。それにヴィヴィッドに反応し、この曲のコーラスにティモシーを入れようと提案したマイケルもさすが(英文ライナーに記載アリ)。やっぱり彼は「いつか自分も…」という思いを抱いていたのだろうな。

でもライナー担当氏は、エイミーがリメイクしてるコトなど完全無視でしたケド…(苦笑)

White Shadows
Tim Moore
Behind The Eyes
High Contrast
Flash Forward