8f0bff29.jpgちょいとワケありでレオン・ラッセルを聴き漁っている。しかも<Song For You>とか<This Masquerade>なんて有名曲が入ったシェルター・レーベル初期のアルバム、例えば『LEON RUSSELL』や『SHELTER PEOPLE』、『CARNEY』(紙ジャケにもなりましたネ!)などではなく、シェルター末期や自分で立ち上げたパラダイス・レーベルでの作品など。

具体的にいえば、この74年作『STOP ALL THAT JAZZ』や翌75年の『鬼火(WILL O'THE LISP』、そして未だCD化されない奥様マリーとの共演アルバム等など。つまり、従来のスワンプ・サウンドから一歩洗練に向かった頃の作品たちだ。この頃のレオン・ラッセルは、決してAORではないけれど、それに通じるライトメロウな香りが立ち上っていて、好事家の間ではプレAOR的な作品として人気が高い。カナザワがガイド本に掲載し、なんとCD化もされたゲイリー・オーガンが良い例で、彼はレオンのバックから独立し、レオンのレーベルparadiseからアルバムを出したのだった。
マイケル・マクドナルドと親交の深いkyd奏者パトリック・ヘンダーソンも、元々リオンのバンドの人だしね。

この『STOP ALL THAT JAZZ』は、リオンのソロ作としては地味な存在のアルバムだけれど、実はレオンと同郷のギャップ・バンドがバックを務めている点で興味をそそられる一枚。え、ギャップ・バンドって、あのチャーリー・ウィルソン兄弟のソウル・バンド?? そうそう、<Early In The Morning>とか<Outdtanding>のヒットを飛ばした、あのコテコテのR&Bバンド。実際彼らはシェルターからデビューしたもののまったく売れず、レーベル移籍と路線修正して成功したという経緯を持つ。G.A.P.というバンド名も、地元タルサの3つのメインストリートの頭文字だとか。あのB.B.Q.バンド(Brooklyn,Blonx & Queens)と同じですネ。
でも後々のコトを考えると、ウィルソン兄弟とクラプトン・バンドのリズム隊となるカール・レイドル&ジェイミー・オールデイカーらが一緒にプレイしてるなんて、ちょっと想像できません…。ま、涼しそうな顔で釜茹でされてるレオンを見ると、この人なら何でもアリか、と思えるが(苦笑) ストーンズの<Wild Horses>も完璧にカントリーで、これは前作『HANK WILSON'S BACK』の余韻。

そもそもオクラホマという地域が何とも怪しい。何とっても、あのブルース・ヒバードやコイノニアの前身3rdアヴェニュー・ブルース・バンドの出身地。クラプトンが<Tulsa Time>なんてJ.J.ケイルの曲を取り上げてたが、音楽的に何かを秘めた街であることは間違いない。そういや、以前某所で隣についた女の子が「オクラホマにホームステイしてたんだけど、メチャ田舎でイヤになった」と聞いて、笑いましたが。美宇ちゃん、元気かなぁ〜

ってなワケで、レオン・ラッセルはライトメロウ的にも侮れません。でもって、何でコレを聴いてるか、という種明かしが近いうちにできることを願いつつ…