57a17845.jpg昨日に引き続き、元グレープの吉田政美のライナー執筆。外へ出ると鬼の暑さだが、クーラーの効いた部屋の中で、こんな涼しげな音楽を聴きながら目を閉じると、気分はまるで避暑地のリゾート。ジャケのように、青々としたパームツリーが瞼に浮かんでくる。でもフッと目を開けると、目の前にはパソコンの液晶にたくさんの文字。うぅ〜、コレが現実っす!

さて、茶坊主がアルバム一枚で消滅したあと、吉田氏はCM音楽の制作やアレンジャーとしてスタジオ・ワークを開始する。その流れで、前作から約3年後にソロ・アルバムの話が。そこで仲間のミュージシャンを集めて完成させたのが、この『MY TUNE MY TURN』だ。

でもこの仲間というのが、かなりゴッツイ。ざっと挙げてみると、村上秀一、林立夫、後藤次利、岡沢章、高水健司、矢野顕子、斉藤ノブ、浜口茂外也、数原晋ほかに、菊地まみといった面々。当時はコレでCMソングを作っていたと言うから、チョイと驚く。まぁ、当時からかなり豪華なメンバーだったのは確かなようで、あるCM録りの時など、最初にブッキングしたのは16chしかないような小さなスタジオだったのに、集まって来たミュージシャンの顔ぶれを見て、エンジニアが急遽マルチのある一番豪華なスタジオを用意してくれた、なんてこともあったそうな。

今度は茶坊主とは違い、完全なソロ・アルバム。その分お気楽にやりたいコトをやったというが、これは確かにマイケル・フランクスやケニー・ランキンとクリストファー・クロスを綯い交ぜにしたような、極上J-AORの世界。おそらくカッチリとプロモーションされていたら、結構話題になったと思われる。やっぱり元グレープという看板が足枷になったかな? だって当時のGB誌を読んでる人たちより、POPYEとかBRUTUSの購買層向けのような音に思えちゃうもんね。邦楽ファンより洋楽ファン、そかも音の違いが分かるヒト限定、みたいな。

ヴォーカルはヘタウマっぽいけど、雰囲気はとびきりのメロウネス。ご当人はピッチとリズムに人一倍気を使ったそうだ。このヒドい残暑を凌ぐのに間に合えば良かったのけれど、そこは何とぞご容赦を。その分カナザワが皆さんの代わりにたっぷりサウンド・シャワーを浴びております。

とにかく四半世紀遅れの評価を今こそ! グレープ・ファンだけのモノしておいたら、末代までコケにされますですよッ!