3e3e5ca1.jpgこの秋の我が【LightMellow's Choice】は、和製ライトメロウの強化月間。その第一弾として、少し前に紹介した吉田政美(元グレープ)の隠れ名盤2作を来月リイシューすることになったが、制作サイドは早くも10月リリースに取り掛かっている。その関係で、昨日・今日は知られざるJ-AORレジェンド:東北新幹線の元メンバーに相次いで取材してきた。


この東北新幹線は、g.kyd.vo.の鳴海寛と、kyd.vo.の山川恵津子から成るデュオ。82年にワン&オンリーの大傑作『THRU TRAFFIC』をリリースしたものの、商業的成功を得られずに自然消滅してしまった。当時の帯コピーには『AOR』と明記され、関係者筋からは絶賛。アルバムを聴いた山下達郎氏が、ツアーへの参加を要請したという逸話も残されている。実際2人はユニット解散後、別個に達郎さんをサポート。山川女史はレコーディングでまりやを含む達郎ワークスの数々に参加。一方の鳴海さんは89年のツアーのみだが、そのデヴィッド・T.張りのギター・プレイはタツ氏のライヴ盤『JOY』で堪能できる。

元々は谷山浩子や八神純子のサポートで一緒になった2人が意気投合して生まれたが、とにかく話を聞いていると、2人とも天才肌でビックリ。このあたりのエピソードは、なるべくライナーノーツに反映させたい。

アルバムには後藤次利や山木秀夫をはじめとする有名処が参加しているが、やっぱり圧巻なのは、2人のハーモニーワークと鳴海さんのギター。リバーブを効かせたクールなハーモニーが重なっていく様は、ちょっとByrne & Barnes的でもある。彼らにすると、現代のシンガーズ・アンリミテッドを狙ったというコトらしいけれど。

カナザワが和モノ・ガイド本『Light Mellow 和モノ669』で紹介したあと、アナログは5ケタに高騰していたが、最近ではシングルでさえ5桁という暴騰ぶりだったとか。とにかく、いま聴いても全然古くないので、和モノ・ライトメロウのファンは必聴でしょ

ま、打ち水のような涼やかなサウンドが夏に間に合わなかったのはご愛嬌ですが、この再発は、カナザワの個人的目標のひとつだったので、かなり嬉しい。まずはYAHAMAcの和泉女史に多謝。現在もアレンジャー/ミュージシャンとして第一線で活躍している 山川さんサイトのDiaryにも、昨日のインタビューの模様が載ってます。