c96c019f.jpg来月、我が【LightMellow's Choice】で紹介することになったマルコ・タジアスコ(日本では“マルコ”という名前でイキます)のライナーを執筆中。どうも日本のAORファンというのは、昔のモノばかりありがたがる傾向が強いのだが、このイタリア人サウンド・クリエイターは、かつて同シリーズで紹介したジョージ&ザ・Gにも充分対抗できる逸材なのだ。

デビューは04年のミニ・アルバム『THOUSAND THINGS』。アンドレア・サンチーニなるシンガー・ソングライターを大フィーチャーし、実に堅実で安定感のあるAORサウンドで、世界中のAORファン、ウエストコースト・サウンド好きを唸らせた。

そして約4年ぶりのアルバムが『THIS MOMENT』。基本的にスタイルは前作を踏襲しており、 デビュー時からのファンは黙って納得の一枚だろう。大きな違いは、今度はアンドレアを含む4人のシンガーを擁し、よりバラエティに富んだ音作りを試みたこと。そしてそれ故に、今回は日本盤リリースに踏み切ったというワケなのだ。そう、問題はこのシンガーの顔ぶれなのである

じゃ〜〜ん なんとこの新作、エリック・タッグとデヴィッド・パックが参加してリード・ヴォーカルを取っているのだ しかもエリックは未発表の自作曲を2曲も提供している。

エリックといえば、97年作『THROUGH MY EYES』の発表以来、新しい歌声とはトンとご無沙汰。何でも「教会の仕事で歌っているので、それに専念する」ということで、セキュラー・シーンからはスッカリ遠ざかっていたのだ。それが突然のご帰還というコトで、あらビックリ ノッケからスモーキーなソウルフル・ヴォイスで、いいノリの歌っぷりを聴かせてくれる。一方デヴィッド・パックは、アンブロージア時代からマルコのフェイヴァリットだったとかで、美しい歌声は相変わらず。彼らの参加の経緯はライナーを読んで戴くとして、まずはその素晴らしいヴォーカルを存分に堪能して欲しい。

ちなみにマルコ自身は、基本的に作編曲とプロデュースを行ない、鍵盤を弾く、というポジション。分かりやすく言うと、デヴィッド・フォスター『RIVER OF LOVE』みたいなスタンス/アルバムだ。実際彼はローマ中心に地道なスタジオ・ワークをこなしてきた人で、キャリアも20年以上。とても真面目で実直な人だというのが、その音からも伝わってくる。うーん、道理でカナザワが共鳴するわけだ



MARCO TAGGIASCO: Thousand Things

 コメント一覧 (2)

    • 1. toto_airplay
    • 2008年09月26日 06:00
    • 約2ヶ月も前にで日本盤が出るという裏情報があり、金澤さんがこの盤の紹介をして頂ける事を楽しみにしておりました。
      確か?ボーナス・トラックもあると聞きましたが?
    • 2. kanazawa
    • 2008年09月26日 06:14
    • あ、そうそう、ボーナスあります。
      バカラックの<Alfie>のカヴァーと、前作の曲のライヴ・ヴァージョンです。

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