40083029.jpg世間様は3連休の最終日。秋晴れにも恵まれバカンス日和の休みだったけれど、カナザワは初日に飲みに出た以外は、ほとんど仕事で日常と変わらず。せめて気持ちだけはリラックスしようと、こんなカフェ気分の一枚を引っ張り出した。

この『STARTING OF LOVE』は、朝のカフェ気分をパッケージしたジャジーでボサノヴァなコンピレーション。ナイトタイムのバー気分を閉じ込めたもう一枚の『LOVE IN THE TWILIGHT』と共に制作された。スポンサーはカフェ&バーのPRONTO。だからこのアルバムはCDショップでは買うことができず、PRONTOの店頭へ出向くことになる。おそらくスターバックスがHear Musicを作ったのを意識したのだろうけど、そのスターバックスはもうHear Musicから撤退してしまっているのだから皮肉なモノだ。

しかしその内容は、単なるコンピレーションではなく、なかなかに本格的。だってプRロデュースは、ミニー・リパートンの元旦那で、プロデューサーとしても名高いディック・ルドルフ。収録アーティストもその人脈をフル稼働して集められたようで、ボビー・マクファーリン、ロニー・ジョーダン、ベベウ・ジルベルト、スティーヴ・カーン、ロブ・マウンジー率いるフライング・モンキー・オーケストラ等などが名を連ねる。なんとディックの現奥方、笠井紀美子も久し振りの歌声を披露。またAORファンにはビル・キャントスが3曲も参加しているのも見逃せないところだ。ま、彼の場合は最新ソロ『LOVE WINS』からの流用だけどね。

基本的にはアーティストのオリジナルを中心にしつつ、ミニーの<Loving You>、トラフィック<Feelin' Alright>を複数のアーティストにカヴァーさせているのだけれど、その中で要注目したい新ユニットが、The Bossa Nova Hotel。彼らはこのモーニング・エディションで<Loving You>と<Feelin Alright>、アース・ウインド&ファイアーの<After The Love Is Gone>と<That's The WAy Of The World>など計5曲、ナイト・エディションでも2曲を披露。更に夜編ではジェイニーという女性シンガーをフィーチャーして、再度<Loving You>を取り上げている。まさに名前通りのステキなボサノヴァ・サウンドで、この2枚のコンピの中核的役割を果たしているのだ。果たして、そのユニットの正体は…?

実はこのThe Bossa Nova Hotel、AORファンならピーンと来たと思うけれど、その期待通り、マイケル・センベロとブルース・ガイチのユニットである。…となれば、ジェイニーとはブルースの奥様ジェイニー・クルーワーのこと。センベロは以前からルドルフと懇意にしていたから、ここでも大活躍を見せたに違いない。

なお彼らはここに収録されていない楽曲もレコーディングを済ませており、優にアルバム一枚分のマテリアルを持っているとか。来年あたり、それが陽の目を見ることを願いたい。ちなみにこのコンピ、既に7月には売り出されていたが、今でもまだ買えるようです。詳しくはPRONTOのサイトをご参照下さい。初めて知った人、PRONTOへ急げっ