18bed44f.jpgはっぴいえんどがバックをつけたことで有名な岡林のセカンド、70年作。ちょうどデビュー40周年ということで、続々と紙ジャケ復刻盤が出ている。

若いリスナーのほとんどは、そのはっぴいえんどの演奏を目的にこのアルバムを聴いたのだろう。だが彼らはコレをどう捕らえたのだろうか?

エレクトリック宣言したフォーク・シンガーと、そのバックをつけるロック・バンドという関係は、ちょうどボブ・ディランとザ・バンドを思わせる。でも実際は、「お仕事」としてサポートしただけというのが通説だ。ホントか? それははっぴいえんどの饒舌な演奏ばかり期待するから、そういう結果を導き出してしまうのではないか? 確かにあまり積極的ではなかったのかも知れないが、「どうせやるからには…」という覚悟と、ココでしかできないことを試そうとする彼らの意図を自分は感じる。特に鈴木茂のギターは、ある意味、水を得た魚のようでも。

松本隆のディテールに富んだ流麗な歌詞に慣れた耳には、アジるような岡林の歌に対する違和感があるだろう。でも当時の彼らには、シミったれた四畳半フォークよりも、はるかにリアリティのあるロック・ミュージックとして映っていたはず。そして何より、イメージが先行してしまっている岡林のシンガー・ソングライターとしての優れた資質に、今一度スポットを。