668e5653.jpg発売されたばかりのカーティス・メイフィールド紙ジャケをゲット。そんな折、たまたま82年の音楽雑誌を見ていたら、山下達郎氏が自分の愛聴盤にカーティスの『THERE'S NO PLACE LIKE AMERIC TODAY』(75年)を挙げ、“4リズムしか入っていないシンプルな作品なのに感動的”という旨のコメントを添えていた。ううむ、確かに。

でもカナザワの頭の中じゃ、達郎さんとカーティスと聞いて真っ先に浮かぶのは、この80年作『SOMETHING TO BELIEVE IN』。何てったって、<甘く危険な香り>の元ネタとなった<Tripping Out>収録の皿だからね。もちろん今では優れたサンプリング・ソースとして世界的に知られ、典型的なノーザン・ソウルのリズム・スタイルを築いた曲という扱いを受けてもいる。

アルバムとしては、ディスコ色強すぎ!という輩もいるけれど、それはあくまでカーティス作品の中での比較論。本当にダンスっぽいのは、オープニング<Love Me, Love Me Now>くらいのモノで、他のマテリアルは4リズムにめくるめくストリングスが絡んだメロウ・チューンのオン・パレードである。ただインプレッションズ時代の代表曲をセルフ・カヴァーした<It's Alright>は、昔ながらのシャッフルをそのまま使っていて、少々違和感アリ。ジョニー・エイスの50'sヒットを時流に乗せて上手く料理しているだけに、これは少々勿体ない気がする。

でも、しばらく前のエディションからボーナス収録されている<This Year>が、それを補って余りある出来。これまで持ってたJIMCO盤には入ってなかった曲だから、コレは嬉しい。あとは、違うレコード会社が発売権を持つため、今回は出なかったファーストとか『BACK TO THE WORLD』など数枚のリイシューを待ちたいところ。