370a3287.jpg間もなくリリースされる再結成リターン・トゥ・フォーエヴァーのライヴDVDを、ひと足お先に。先行発売された2枚組CDはワールド・ツアーからのベスト音源、映像はモントルーなので、基本的なダブリ・トラックはなく、ボーナス映像の一部に重複が発生したのみ。

チック・コリア、アル・ディ・メオラ、スタンリー・クラーク、レニー・ホワイトから成る第2期RTFは、『ROMANTIC WARRIOR(浪漫の騎士)』や『NO MISTERY』といった名作を残したことで有名。カナザワもリアルタイムから少し遅れて耳にするようになったが、ジックリ聴くという以前に、その超絶技巧の嵐を前にして「ヒエッ、ごめんなさい…」となるのが常だった。

しかしこの25年ぶりの再結成は、当時と少々ニュアンスが違っている印象。先にライヴCDを聴いて感じていた空気感の変化が、映像を通して、よりストレートに伝わって来たのだ。

ひと言で書くなら、「余裕」。かつてはビンビンにテンションが張り詰めた中、顔を引き攣らせながら必死にプレイしていたイメージのRTFの面々が、今は時折笑顔を交わしながら、85%くらいのエネルギーで演奏している雰囲気なのだ。特に機械のようにピッキングしていたディ・メオラが、今は男前も上がって、スゴくイイ感じ。ワン・ツアーのみの再結成だったらしいけど、できればチックのプロジェクト的に時々招集かけてもらって、スタジオ録音の新作なんかも聴いてみたいところ。