57df5303.jpgつ、つ、ついに、決まりました。黒住憲五が80年代にリリースしたJ−AOR/シティ・ポップス不朽の名作たちが、いよいよ6月に初CD化。僭越ながらワタクシの仕掛けなので、ヴィヴィド・サウンド【LightMellow's Choice】での発売。今日は当の黒住さんにお会いして、ライナー用の取材をしてきた。

さて、このファースト『AGAIN』は、かの松原正樹がサウンド・プロデュースを担当。バックもほとんどパラシュートで、一番イイ時期のパラシュート・サウンドに黒住さんの甘くてウェットなヴォーカルが乗る。ファースト・アルバムとはいえ、ズブの新人ではなく大学生時代からキャリアを重ねた末の作品だけに、安定感が抜群で名曲も多い。1枚目にして、まさに代表作。

セルフ・プロデュースによる翌83年のセカンド『STILL』は、松原アレンジを前半(アナログA面)に凝縮し、新アレンジャーに武部聡志を起用。当時の武部はまだ駆け出しだったそうだ。チャーをゲストに迎えたロック・チューンも入っていて、黒住流AORワールドの広がりを感じる。なお、この2枚には、シングル未収シングル曲6曲を分散させて収録予定。

前2作をリリースしたレコード会社TDKコアが倒れたため、企画アルバムを出したりCMなど裏方仕事をこなしたのち、ビクターから実験的テクノ作品を発表。その後89年にコロムビアから出したのが、これまた名作『 PILLOW TALK』だ。これはL.A.レコーディングで、カリズマのデヴィッド・ガーフィールドが仕切り役。ジェフ・ポーカロが数曲で“らしい”ドラムを聴かせる一方、エイブラハム・ラボリエル、マイケル・ランドゥらが瑞々しい演奏を聴かせてくれる。

そもそも黒住さん、ボズ・スキャッグス『MY TIME』を聴いたのをキッカケにして、ズブズブと西海岸の音楽にハマっていったそう。『SILK DEGREES』はおろか『SLOW DANCER』もリアルタイムで聴いたという、筋金入りのAORファンなのだ。こりゃあその筋のファンは無視できんでしょ??