fdecf348.jpg既にリリース情報を流していたブルース・ロバーツ、セカンド『COOL FOOL』。ファーストの紙ジャケ化から2年以上遅れて、ようやくこちらも再登場することに。で、今そのライナーを書いている。

しかし、許諾申請から2年以上。もぅほとんど諦めていた、忘れかけてた、というのが正直なトコロ。再発の仕事に携わっていると、出せるか出せないかは最終的に原盤を持つ本国レコード会社の対応いかん、という局面に何度も遭遇する。その際、もう権利がなくなっている、人手に渡っている(アーティスト自身とかマネージメントとか…)というのは、よくある話。AOR系なら発売から25年、30年が過ぎてるワケで、こりゃ不可抗力だろう。

だが一番困るのは、当時の権利書が見つからず、契約内容が確認できないのでペンディング、というパターン。実はコレが案外多いのだ。一度CDになっていても、今は行方不明というケースも少なくない。だけどこういうケースは、アチラの担当者がジックリ調べてくれる人だったり、あるいはヒョンなことから出てきた、なんてこともある。おそらく今回もそのパターンだったのでは? いずれにせよ、果報は寝て待て、なんですかね??

で、アルバムの内容。77年のファーストに比べると、ブルース・ロバーツらしさが薄らいでるのは確か。その分、80年産らしくAOR色が濃くなっている。そこをどう捕らえるかが、評価の分かれ目。ただ、こうした類型化の先にAORの没落があるのは間違いなく、方向性としては少々ビミョーと言えるかも。事実、収録曲がいろいろなアーティストに取り上げられた1枚目に対し、コチラにはそうした曲はないワケで…。

結果として、アルバムとしては充分に魅力的な作品だけど、ブルース・ロバーツを代表する一枚ではない、って感じか。スタイルよりも個性を重んじるカナザワとしては、当然ウェットでペーソスに富むファースト支持派なのだけれど、コチラにはアンディ・ゴールドマークという両巨頭ソングライター・コンビの作品が多いし、ドナ・サマーでお馴染み<All Through The Night>という好曲も入っている。ウ〜ム、やっぱりコレはコレで捨て難いんだな。