628f11a1.jpg今日は米FOXの人気番組『アメリカン・アイドル』シーズン8のファイナル。日本で放映が始まった頃は、あまりにショービズっぽい感じがして斜に構えて観ていたけれど、ここ何年かはすっかりハマっている。最近上位コンテンツが片っ端からデビューしちゃうのは興醒めなのだが、一方で普通のルートじゃ到底鼻も掛けられなかったようなタイプの実力派シンガーが現れてきたりも。いずれにせよ、日米のアイドル観の違いがよく分かって、ジャリタレばかりの日本の現状を憂いてみたくなる。ま、米国だって今のチャートはロクなモンじゃないと思うが、それでも中途半端な実力では受け入れられないというエンタテイメント・ビジネスの厳しさがハッキリ伝わって来るのだ。

さて本日の決勝は、ミュージカル上がりで超絶ヴォイスの持ち主アダム・ランバートと、親近感が湧くフツーの兄ちゃん:クリス・アレンの一騎打ち。単純に実力とスター性で判断したら、間違いなくアダムの勝利だが、アコギやピアノ中心のサラッとしたスタイルで、さり気なく若い世代の心を掴むクリスも侮れない。既にアーティストとして完成されてるアダムに対し、クリスはコンペの中盤からグイグイと力をつけ、勢いに乗っている。それこそどちらが勝っても不思議じゃないって感じ。ファイナルでは双方が3曲づつ歌ったが、ジャッジに「軽すぎ」と受けが悪かったクリスの<What's Going on>も、彼ならこのアレンジもあり!と思って観ていた。

そうしたら、結果はやっぱりクリスの勝利。でもカナザワが今日一番ビックリしたのは、クリスの優勝ではなく、ゲストに登場したクイーンとアダムの組み合わせの妙!だった 

ミュージカル出身でルックスも良く、おそらくかなりのナルシスト。衣装やメイクはいつもケバくトゥ・マッチで、言うなればグラム・ロック風。今日も宇宙服みたいなのを着ていて、「あちゃー」と思っていたら、キッス、そしてクイーンと次々に絡んでしまった。それが絵になる男なのだ。そのうえ鉄壁の歌唱力を持っていて、ロックがテーマの週には挑戦者で初めてレッド・ツェッペリン(Whole Lotta Love)を歌い、大喝采を浴びた。あの金属的ハイトーンのスクリーミングは、確かに全盛期のロバート・プラントに匹敵してたと思う。でもその一方で、これだけ濃ゆいキャラだと、果たして優勝してソロ・デビューしても、ちょっとキワ者っぽい存在というか、遅れて来たグラム・ロッカーになっちゃうかもなー、なんて危惧していた。

ところが、コンペとは関係ない所での、このクイーンとのパフォーマンスである。「あ!」と思った。虚を突かれた感じだった。あのシアトリカルなステージング、圧倒的な歌唱力、目映いばかりのカリスマ性。こりゃーまさにフレディの再来ではないの!

一方クイーンの方も、今後はポール・ロジャースとは別々に活動することが決まっている。ま、そりゃそうだろう。ポールは偉大なシンガーだけれど、フレディと個性がかけ離れていたからこその起用だったワケで。次もその手で行こうとしたら、ポールほどの適材なんて見つかるハズがない。…となると、やはり真っ当な後継シンガーを探すしかないが、これまたフレディの後となると…、ね。それがこんなトコロに逸材が転がっていた。まして新人なので、イメージも清新で言うことなし。誰がこの両者の組み合わせを考えたのか分からないが、まさしく「コレしかないっ!って感じですね

実際、2週ほど早く生中継された全米のアメ・アイ・ファンの間では、もうこの話で持ち切りとか。ピュアなクイーン・ファンには賛否あるようだが、別に正式加入じゃなく、クイーン feat.アダム・ランバートでイイんだから、これは早々に実現してもらいたいものだ。

ついでにアダム君、最近ボーイフレンドと手を繋いで歩いてる所をパパラッチされたとか。まー、そこまでフレディーに似ないでも、と言うか、やっぱりそうなのねー、と言うか…