toninho_horta_12016年のオリンピック開催地が、リオ・デジャネイロに決定。まぁ個人的には、そーなって当然、出るべくして出た結果だと思う。何と言っても南米初の五輪だもの。東京招致を進めていた関係者や応援していた方々には申し訳ないが、いくら一生懸命にプレゼンしたって、この事実は覆せない。ちょっと冷静に考えれば分かりそうなモノだけれど、石原都知事以下の落胆ぶりは相当なもの。アーティストが自分の作品を客観視できないのと同じですね。

そこで今日は、ご祝儀相場(?) ブラジル音楽シーン屈指の名盤とも言われるトニーニョ・オルタのセカンドをチョイスしてみた。

シンガー・ソングライター、ギタリストとして、70年頃からブラジルの音楽シーンで頭角を現し始めたトニーニョ。79年のソロ・デビュー作に続いて、翌80年にリリースしたのが、この名盤だった。

ミルトン・ナシメントに歌われたサンバ・チューン<Aqui, Oh>からスタートする、まさに至福の45分。流麗なメロディに多彩なアレンジ、そして大空を駆け巡るかのようなギター・ソロ。キメ手は、ゲスト参加しているパット・メセニーの存在か。彼のサイド・ワークとして本作に触れた音楽ファンは少なくないはずで、このアルバムのオリジナルLPや初期米盤CDは、しばらくプレミア価格が続いていた。 実際トニーニョ・サウンドには、メセニーからの影響が少なからず感じられる。更に<Prato Feito(定食料理)>なるインスト曲では、メセニーに加えて、アジムスのJ.R.ベルトラミまでが参加。素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれる。

空が高く感じられる秋の一日に…