peter_cetera_bestようやくソロでの初来日公演が実現したピーター・セテラ。初日セカンド・セット@丸の内コットンクラブへ行ってきた。海外では大きなホール・クラスでのライヴが当たり前のピーターだから、クラブのような至近距離であの歌声を聴けるのは、本当に貴重。まさにプレミアムなライヴである。

バックにも、ブルース・ガイチ(g)やジョー・シャーメイ(b)といった実力派を揃えた70分。サスガにキーを落としていたり、ハイトーンがキツそうな場面もあったが、やはりあの歌声、フレーズの最後をしゃくり上げるようなクセ、そして何よりあの風格が、あぁ、ピーター・セテラが目の前にいるんだな、という気にさせてくれる。カナザワはピーター入りのシカゴを観たことがあるけれど、AORファンの多くは生ピーターは初めてなんだろうな。

70年代の往年のヒットがセットの中心を占めるシカゴとは違って、ピーターの場合はソロであれシカゴであれ、すべてアダルト路線まっしぐら。<Hard to Say I'm Sorry>や<You're The Inspiration>なども、半ば惰性でファン・サービスとして割り切って演っているシカゴと違い、両方ともピーターが手塩にかけて作った曲である。ジェイソン・シェフがいくら上手く歌っても、書いた本人ほど感情移入できるワケもない。詰めかけたファンもその辺りを分かっている方々が多いのか、シカゴの公演とは確実に熱気が違っていた。

個人的には、結構お気に入りの『WORLD FALLING DOWN』(92年)から<Restless Heart>と<Even A Fool Can See>、チャカ・カーンとのデュエット<Feels Like Heaven>をチョイスしていて、軽くビックリ。チャカ、エイミー・グラント、シェールと、タイプの違うデュエット・パートナー役をひとりでこなしたキム・キーズ(cho)も、なかなか歌えるヒトでありました。

結構神経質な人だという噂のピーターも実にご機嫌麗しく、本人もメンバーも笑顔を交わしながらのパフォーマンス。ギター/コーラスのジーン・ミラーをフィーチャーしての<Lady Madonna>も飛び出した。ふと気づけば、<Stay With Me>とか<Baby What A Big Surprise>など、ありそで出なかった楽曲もあったけれど、1日2ステージのクラブ公演では致し方ない。うん、それでも充分に満足しました。

(以下コットン・クラブのサイトより)

 1. Restless Heart
 2. Glory Of Love
 3. One Good Woman
 4. After All
 5. You're The Inspiration
 6. Feels Like Heaven
 7. Even A Fool Can See
 8. Lady Madonna
 9. If You Leave Me Now
 10. The Next Time I Fall
 11. S.O.S.
 12. Hard to Say I'm Sorry
  (encore)-------------------
 13. 25 or 6 to 4