seal_hits年明けに国内リリースされた2枚組ベストで、改めてシールの実力を認識中。デヴィッド・フォスターと組んでのソウル・クラシックのカヴァー集『SOUL』を機に、スッカリ彼の見方が変わってしまったな(←おそっ)

デビューはトレヴァー・ホーンのZTTからで、音はエレクトロ系のハウス〜ダンス・ミュージック。歌える人なのはすぐに分かったが、その筋はカナザワの趣味からはちょっと遠い。その後徐々にソウルに近づいて来て、サントラ・ヒットを飛ばしたり、グラミーをさらったり。でも最初のイメージからか、なかなか積極的な興味を持てずにいたワケだ。ところが海外では、有名女優との結婚もあって半ばセレブ扱いされているそう。そんなスゴイことになっていたなんて、まったく知らなかったッス。

だから『SOUL』でフォスターと組んだと知った時も、ミスマッチ感が先に来た。音楽面だけでなく、ポジション的にも、だ。ところが実際に『SOUL』を聴いて納得。こりゃー過去のシールも聴き直さにゃアカンかな?と思っていたところに、この2度目のベスト盤である。

前回ベストが04年で、その後のオリジナル・アルバムは2枚だけ。現役バリバリのシンガーにしてはヒッツ企画の間が短いが、やはり『SOUL』『SOUL LIVE』でファン層を押し広げたという意識があるのだろう。カナザワもまさにそうした一人。痒い所に手が届いたような、絶好のタイミングだと思う。

でもこうして過去の曲を聴いてみると、耳馴染みのあるのが実に多い。ちゃんと耳を通したアルバムもあるから、当たり前と言やぁ当たり前だけど、それ以上にFMとかで触れる機会が多かったのだと思う。…とは言え、やっぱりググッと来たのが、『SOUL』の流れを引き継いだ新録のカヴァー2曲。共にフォスター制作で、1曲はモータウンの隠れ名曲(アシュフォード&シンプソン作)。もう1曲はスライ&ザ・ファミリー・ストーン<Thank You>で、近年のフォスターにはなかったアグレッシヴなファンクが聴ける。シールの熱いスピリットが、フォスターにちょっとは昔を思い出させたかな?

思うにコレでシールのカヴァー・プロジェクトもひと区切り。このあと彼は何処へ向かうつもりだろうか?