carole&jtこの前、この武道館公演に出掛けて感動しきりの方々が多いと思うが、ようやく07年11月に行なわれたホンモノのトルバドール公演の模様が、CD/DVDで発売となった。カナザワも早速時間を捻出して、ジックリ鑑賞。

現在進行中のワールド・ツアーとは違って、サポート・メンバーは元セクションの3人のみ。だから演出らしい演出はなく、淡々と懐かしの名曲を歌い綴っていくだけなのだが、そのシンプルさが還ってアーリー70'sの雰囲気を増幅しているみたい。もちろん歴史を感じさせるトルバドールの佇まいも無関係ではないだろうし、小じんまりとしたステージの距離感も、メンバー同志やオーディエンスの間に親近感を抱かせている。とにかくキャロルもJTも、セクションの面々も、そしてオーディエンスも、みんな笑顔。<Smackwater Jack>を歌い終えたキャロルが、ノリノリの客席に向かって「Smokin'」(いい雰囲気ね、の意)と投げかけるあたり、とても印象的だ。

およそ30年振りの本格的共演に、キャロル、JT、そしてメンバーの間には、我々が想像できないほどにたくさんの想いが去来したことだろう。下世話なハナシだが、JTと別れたカーリー・サイモンは、そのあと一時ドラムのラス・カンケルと結婚していた時期もある。そうした言葉にできない胸の内に思いを馳せながら、オーディエンスはそこに自分の人生を投影していく。だから、彼らの作った名曲たちは、いつまでも色褪せない。

そういえば、最近のJポップに対して、ある人が「言葉で語りすぎる」という旨の発言をしたそう。なるほど、説明の過ぎた歌詞はリスナーの思いを許容できなくなる、ということか。