kadomatsu_citylights_dandy11月のサンプラザ公演に先駆け、角松【CITYLIGHTS DANDY】ツアー@川口リリアホールに参戦してきた。(以下ネタバレあり)

ステージ上はいつになく殺風景で、下手奥にバー・カウンターがあるのを除くと、ヒナ段さえない。「ありゃ、まぁ」と思ったが、ライトダウンしてから謎が氷解した。夜景を模したホリゾントが仕込まれていて、なるほど、アルバム・コンセプトに呼応したライティング中心の演出になっていたわけである。

セットリストも、まさにそう。新曲と昔の曲を上手に織り交ぜながら、ナチュラルにステージを盛り上げていく。これまでの角松と言えば、常に最新作からの楽曲を強くアピールし、“付いて来られるヤツだけ付いて来い”と挑発的な台詞を吐いたりもしていたが、今回のツアーでは肩の力がスッカリ抜けて、極めて自然体でライヴに臨んでいるようだ。

よくよく考えれば、新作からはシッカリ全曲演っているのだけれど、曲順や聴かせ方を工夫しただけで、印象はガラリと変わった。今ツアーのセットリストは以下の通り。

01 Dandy...in the Citylights
02 浜辺days
03 Mrs.MoonLight
04 Twilight Moody Blues
05 HOT LAZY NIGHT
06 After 5 Crash
07 せめて無事な夜を
08 SEALINE
09 Friend
10 La Carnaval
〜Interval〜(バーでの寸劇)
11 BEAMS
12 ANKLET
13 Fly By Night
14 LOST MY HEART IN THE DARK
15 Funky GO-KOHN
16 134
17 Take You To The Sky High
18 浜辺の歌
〜Encour〜
19 もう一度…and then
20 Still,I'm In Love With You
21 NO END SUMMER
〜More Encour〜
22 See You Again

ふと気づけば、解凍後の楽曲は<BEAMS>と<浜辺の歌>だけ。すなわち活動凍結前と新作の曲に特化したセットだったことが分かる。このあたりが、口うるさいオールド・ファンにも親しみやすくなったところではないか。

バック・メンバーも今剛(g)、森俊之(kyd)、松原正樹(b)、玉田豊夢(ds)+角松と、『SUMMER 4 RHYTHM』を最新フォーマットに置き換えたよう。あれから6〜7年で4リズムがすべて入れ替わってしまったことに一抹の寂しさを感じつつも、カナザワはあの頃から仲間内にべース:松原、鍵盤:森を起用すべし!をささやかに主張してたので、すごく収まり良く感じられた。角松バンドにとっての新人:玉田豊夢のドラムも、上手くハマっていたと思う。彼の個性が出てくるのはこれからだろうが、角松サウンドへのフィット感は歴代ドラマーでも上位に来るんじゃなかろうか。

個人的には、非常にリラックスして楽しめた今回のパフォーマンス。11月にもう1回ジックリ堪能したいと思う。ちょうど月初めの一週間に角松、達郎さん、ジャンク・フジヤマと同傾向異世代アーティストの濃厚ライヴが続く予定なので、カナザワ的にはその比較も楽しみだったり…。