eloise _laws昨年12月のブランクでアップできなかったネタの中から、初CD化されたトップ・リコメンドのひとつを。それは、ヒューバート(flute)やロニー(sax/ex-E.W.&F.)、妹デブラ(vo)を輩出したロウズ・ファミリーの長女エロイーズのセカンド 『ELOISE』(78年)。拙監修『BLACK CONTEMPORARY MUSIC GUIDE』にも掲載した、ライトでメロウなソウル・アルバムです。

この人の場合、元ホランド=ドジャー=ホランドのブライアン・ホランドがプロデュースしたインヴィクタス盤『AIN'T IT GOOD FEELING GOOD』がレア・グルーヴ〜フリーソウル方面で話題になることが多いけれど、カナザワに言わせれば、アルバム・トータルの完成度はコチラの方がずっと上。何せ、ウォーを育てたジェリー・ゴールドスタインと、フィリーの人気作曲家リンダ・クリードが制作し、前作に1曲だけ関わっていたジーン・ペイジが全編アレンジを担当しているのだから。

もちろんバックの演奏陣も、ジーンに近しい西海岸の敏腕セッションマンたちが固めている。この顔ぶれが表すように、レーベル移籍を挟んで矢継ぎ早にリリースした作品にも関わらず、ソフィスティケイションが飛躍的に向上。ジーン・ペイジらしい円やかな弦使いとデヴィッド・T・ウォーカーによる甘美なギター・ワークが相乗効果を生んで、ホンワカとした幸せ気分を運んで来る。

スタイリスティックスとディオンヌ・ワーウィックのカヴァーがあるが、これは共にリンダとトム・ベルの共作曲。春の訪れを心待ちにしながら、陽だまりの中で楽しみたい一枚。