bob_marley_live80今日はボブ・マーリー、30年目の命日。それに併せてか、『ライヴ・フォーエヴァー 〜ピッツバーグの奇跡』と題された発掘ライヴ音源2枚組がリリースされた。収録は逝去8ヶ月前。当然、身体はとっくに癌に蝕まれ、本調子でなかったはずだが、それを気迫で補いながらポジティヴに歌うボブが、とにかく素晴らしい。

エリック・クラプトン経由でレゲエを知り、ボブ・マーリーを聴くようになった身としては、近年のラヴァーズ・ロックは、ほとんど腑抜けにしか聴こえない。「AOR好きが何をほざいてる!?」と思われるのは、百も承知。でもレゲエの進化のバック・グラウンドには、そうした “闘う音楽” としての側面が色濃く存在していたわけで、それを肌身で感じた世代としては、むしろブリティッシュ・レゲエなどに共感を持ってしまう。

近年のボブはメロディ・メイカーとしての再評価されたりもしているようだが、ここにいる彼は、まさに命を削りながら歌っている。ライヴ・アルバムとしては、名作として知られる『LIVE!』の方が完成度が高いと言えるが、あちらは残念ながらシングル・アルバム。熱気の点では76年の『LIVE AT ROXY - The Complete Concert』、存在感では本作が一番かも。ライヴ盤の多いボブだけれど、『BABYLON BY BUS』の軽さや『IN JAPAN』の粗っぽさとは明らかに一線を画している。

何かと心をすり減らす日々だけれど、やっぱりボブ・マーリーを聴くと元気が貰える。