jorge_santana_12カルロス・サンタナの弟にしてマロのリーダー、そしてAORきってのエロ・ジャケ作の主であるホルヘ・サンタナの2011年最新作が登場。全世界で1000枚プレスということは、1/2以上日本向けってコトかしらね?

ただし今回は、メロウはメロウでもAORチックなモノではなく、ナイロン弦のアコースティック・ギターを多用したムード・ラテン・ロック仕様。すんでのところで歌謡曲寄りには進まず、チカーノ・ロック・サイドに止まった感じか。 実際、<Corazon>で聴けるセクシーなギターは、さすがに血を分けたカルロス譲りだし、その兄の代表曲<哀愁のヨーロッパ>をカヴァーしてたりする。ま、コレはアコーディオンを使って、アルゼンチン・タンゴとレゲエを掛け合わせたような、笑っちゃうアレンジになってたが…

一番の聴きモノは、スティーヴィー・アンダーの<My Cherie Amour>で、これもサクッとボッサなアレンジでインストに仕上げてみました、的なノリ。でもそのユルさが妙に気持ち良くって、思わずニッコリさせられる。でも、オォ、TOTOのカヴァー!と思った<Georgy Porgy>は、まったくの同名異曲でガックシ それでもラストには、例のエロ・ジャケ盤から極上メロウ・フローター<Love The Way>をシングル・ヴァージョンでボーナス収録してあって、何とか気を取り直す。

新作と言っても、実態は7曲のみ収録の、言わばミニ・アルバム。企画的には、どうやら母親に捧げた私的作品でもあるようだが、夏になったらまた引っ張り出してみよう…なんて気にさせてくれる一枚である。