firstlightこの7月に、SHOGUN/芳野藤丸のコンピレーション『VINTAGE』と、松下誠のアーティスト・デビューとなったユニット:ミルキー・ウェイの唯一の作が発売されたのを引き継ぐ形で、9月に藤丸さんと誠さんの両ソロ作を、10月にAB'Sの4作を一挙リイシューすることになった。

少々ヤヤこしくて恐縮だが、どれもカナザワ監修の元、藤丸ソロとAB'Sはヴィヴィド・サウンドの【Light Mellow's Choice】シリーズから、紙ジャケット仕様で。松下誠ソロは、Tower Recordsの【Light Mellow's Picks】シリーズで、ジュエル・ケース仕様のTower Records限定リイシューとなる。当然値段にも差が出てしまうが、その分、藤丸ソロとAB'Sには秘蔵ボーナス曲を収めるべく、音源の捜索中だ。

そしてカナザワの方では、先週、藤丸・誠両氏にお集まりいただいた解説用の取材を、せっせと文字起こししているところ。でも、それぞれ単独に会うのではなく、久々にお2人が顔を合わせたからこそ出てきた話もあって、実に面白いインタビューとなった。例えば、藤丸さんと誠さんの出会いとか、公式には語られたことのない誠さんのAB'S脱退の理由とか…。

解説は、両氏ソロとAB'Sの計9枚で、ある程度、時系列を追っていく形を思案中。ちょっと枚数が多いけれど、このご時世、今回が最後のCD化、なんてことにもなりかねないし、そうするのが一番分かりやすいと思う。熱心なファンならば、藤丸さんのファースト・ソロのセッションが、そのままAB'Sに発展していくのは重々承知しているところだけれど、その前にもいろいろ布石や偶然があったのだ。藤丸さんも、このソロ・デビュー作『FIRST LIGHT』は実際に誠さんと知り合う前から聴いていて、「オレもこういう音が演りてぇ〜!」と思っていたそう。

少し前に書いたように、オトナの事情により、この『FIRST LIGHT』オリジナル・ジャケットは使用不可。本当はこれを再現して、誠さんも全3作すべて紙ジャケで出し直す計画だっただけに、極めて残念ではある。でもその内容は、J−AOR最高峰の1枚に数えても遜色がない。藤丸さんのセリフではないが、もしコレがなかったら、藤丸ソロもAB'Sも生まれてなかったかも知れないのだ。同時にコレは、徐々にプログレ指向を強めていく誠さんの、ポップ・サイドを代表する作品でもあり、先行リイシューされたミルキー・ウェイの音楽性とダイレクトに繋がっている。<September Rain>は英語ver.と日本語ver.両方を収録。そのヴァージョン違いの誕生秘話も明らかにされた。<Sunset>の懲りまくったヴォーカル・ハーモニーは、やっぱり10ccが元ネタだったか…。

既に過去のCDをお持ちの方も少なくないと思うが、今回は今までになく充実したコンテンツにするつもり。前回は企画提案したにも関わらず、まるで茅の外に置かれて再発作業が進められてしまっただけに、カナザワ的にもそのリヴェンジという意味合いがある。お初の方も買い直し組も、是非チェックされたし!

松下誠1松下誠2松下誠3


FIRST LIGHT
THE PRESSURES AND THE PLEASURES
QUIET SKIES

milky_way
ミルキー・ウェイ/サマータイム・ラヴ・ソング