BobbyCaldwell_ジャケ写_30022日の発売が目前に迫ったボビー・コールドウェルの、約7年ぶりのニュー・アルバム。解説用の電話インタビューに向けて質問事項を作ったり、その答えを元にライナーを書いたりで、1ヶ月前にはある程度聴き込んでしまった感があったが、発売前にもう一度CDのターンテーブルに乗せてみた。

最初に聴いた時に、 一度コチラにポストしている通り、ボビーのキャリアで一番バラエティに富んだ仕上がり。インタビューでもその辺りに触れ、「多彩な作品にする」、「80年代すぎるサウンドにしない」ことを心掛け、他のジャンルにも挑戦したいと考えていた、と言う。

従来通りのムーディーなAORチューン、マーク・マクミランと共作したジャズ・ブルース・チューン、シンセ・ベースを使ったトリッキーな4ビート・ナンバー、前作『PERFECT ISLAND NIGHTS』の流れを継ぐラテン・チューン…。そんな中に、思わず意表を突かれる瞬間が何度か訪れる。例えば、ラテンへのアプローチが急激に深化して、タンゴの導入に至った<Dance with Me>。ボビーがエモーショナルなギター・ソロを弾き倒すブルース・チューン<Dear Blues>。しかし、何より驚くのは、<Hearts On Fire>と<Dinah(Diamond In The Rough)>だろう。この2曲は、どちらもペダル・スティール・ギターが軽妙に鳴り響くカントリー・ソング。とりわけ後者は、初期のイーグルスを彷彿させる出来映えなのダ。Take it Easy, Take It Easy〜っとくらぁ

ま、日本のAORファンに泥臭い音はタブーだけれど、最近のポップ・カントリーはかなり洗練度が高くてアダルディーだから、楽曲的には、それほど強い違和感は持つことはない。このボビーの新作も、アルバム単位でツルッと聴き流せるし、そういうクロスオーヴァー・スタイルを孕んでいてこそ、本当のソフィスティケイテッド・サウンドなのだ。それより何より、30余年のキャリアを以て、未だに新しいコトにチャレンジするボビーのスタンスこそ、心から素晴らしいと思うのである。

この新作を引っ提げての来日公演も、だんだん盛り上がって来そうだな。