azymuth2先週の怒濤のようなライヴ週間に、サクサクッと解説を書いたネタから。『涼風』という邦題も嬉しい、ブラジリアン・コンテンポラリー・ジャズの雄、アジムスの2ndにして出世作。発表は77年。ピアニスト:J.R.ベルトラミの訃報からも まだ日が浅いけれど、ココは素直にクール&ジャジーな若き日のアジムス・サウンドに酔いしれて。

デビュー時は、パーカッション奏者を擁す4人組で、“Azimuth”を名乗っていた彼ら。それから3年以上が経つ間に、メンバーは3人となり、グループ名も“Azymuth”となった。サウンドもひと皮抜けた感覚で、プリミティヴな色合いを残した1stに比べると、無駄な音使いがなくなってシェイプアップされた。その反面、マイルストーン・レーベルからワールドワイド・デビューを果たした79年作『LIGHT AS A FEATHER』よりは、まだまだ熱いプレイが聴ける。アジムス流儀のクロスオーヴァー・スタイルが完成に至る、その僅かに手前。この絶妙なバランス感覚がスバラシイのだ。

オープニングの<Voo Sobre O Horizonte(地平線を飛ぶ)>は、NHK-FMの当時の人気番組『クロスオーヴァー・イレヴン』のオープニング・テーマに使われた、お馴染みのナンバー。実はこちらに収録されたヴァージョンがオリジナルで、79年の番組スタートから80年の終り頃までテーマに使用された。しかし、『LIGHT AS A FEATHER』にニュー・ヴァージョン<Fly Over The Horizon(Voo So bre O Horizonte)>が収められたため、やがてそれがオリジナルに取って代わり、数年間、番組の看板曲となる。なので、『クロスオーヴァー・イレヴン』のテーマといえば、新ヴァージョンの<Fly Over The Horizon>が定番。だが、当時から番組を聴いていた方々には、こちらに愛着を示す人が多いのも、また事実だ。

他にも、ミルトン・ナシメントのカヴァーがあったり、クラブDJたちが垂涎の的としたナンバーやスキャット・サンバ、カーニヴァル系の楽曲に、流麗なジャズ・ファンク・ナンバーと、ナイス・チューン連発。彼らがマイルストーン移籍後の約10年間も安定した活動を続けられたのは、本作の音楽的成果がそれだけ実り多かったからなのだ。

ちなみにこの再発は、タワー・レコード限定です。

涼風/アジムス(タワー・レコードのサイトへ)