
その中で一番取っ付きやすそうなのが、セルジオ・メンデスのプロデュースによるこの78年作『NIGHTINGALE』。参加ミュージシャンも、リー・リトナー(g)、ドン・グルーシン(kyd)、エイブラハム・ラボリエル(b)、アレックス・アクーニャ(ds)、スティーヴ・フォアマン(perc)といったリトナー&フレンドシップの手勢と、グラシーニャ・レポラーセ(vo)、マイケル・センベロ(g)、オスカー・カストロ・ネヴェス(g)、ロウディ・ジ・オリヴェイラ(perc)などのセル・メン人脈による混成チームだ。
当然内容も生粋のブラジル音楽ではなく、トロピカルなコンテンポラリー・クロスオーヴァー・ヴォーカル作品となっている。よく引き合いに出されるのが、渡辺貞夫の『ORANGE EXPRESS』だが、確かにアレに歌を入れてもう少しブラジリアンにした感じ。楽曲によっては、勢い余ってカリブ方面に踏み出し、レゲエなども取り入れたりして。でもそれもご愛嬌といった大らかさが魅力で、チマチマしたジャンル分けなど、どーでもよくなる。
実際この作品は、初の海外向けアルバムだったらしく、本国ブラジルでは02年のBOX SETに組み込まれるまで、未発売のままだったそう。にも関わらず米国でのセールスは不振で、当時からブラジル音楽を聴き漁っていた本場指向のファンからは多くの批判を浴びたらしい。しかしジルの一番の興味は、翌79年に行なわれた大学キャンパスを中心とする初のUSツアーだったとか。彼は視野の狭い一部の熱狂的ファンやポピュリズムには迎合せず、自由で柔らかな感性を持った若い世代に向けて自分の音楽を発信したかったのだ。
ワールド・ミュージックには詳しくないカナザワも、さすがにこのアルバムはアナログ盤で持っていたな。
当然内容も生粋のブラジル音楽ではなく、トロピカルなコンテンポラリー・クロスオーヴァー・ヴォーカル作品となっている。よく引き合いに出されるのが、渡辺貞夫の『ORANGE EXPRESS』だが、確かにアレに歌を入れてもう少しブラジリアンにした感じ。楽曲によっては、勢い余ってカリブ方面に踏み出し、レゲエなども取り入れたりして。でもそれもご愛嬌といった大らかさが魅力で、チマチマしたジャンル分けなど、どーでもよくなる。
実際この作品は、初の海外向けアルバムだったらしく、本国ブラジルでは02年のBOX SETに組み込まれるまで、未発売のままだったそう。にも関わらず米国でのセールスは不振で、当時からブラジル音楽を聴き漁っていた本場指向のファンからは多くの批判を浴びたらしい。しかしジルの一番の興味は、翌79年に行なわれた大学キャンパスを中心とする初のUSツアーだったとか。彼は視野の狭い一部の熱狂的ファンやポピュリズムには迎合せず、自由で柔らかな感性を持った若い世代に向けて自分の音楽を発信したかったのだ。
ワールド・ミュージックには詳しくないカナザワも、さすがにこのアルバムはアナログ盤で持っていたな。