genesis_secondsout行ってきました、クラブ・チッタ。観てきました、スティーヴ・ハケット『GENESIS REVISITED 2013 Japan Tour』。何てたって、全曲ジェネシス・ナンバーですよ。しかもハケット在籍期といったら、ジェネシスが最もジェネシスっぽくプログレしていた時期なワケで…。特にカナザワは4人時代にジェネシスを聴き始めたので、ガブリエル時代よりも、『TRICK OF THE TAIL』や『WIND & WUTHERING(静寂の嵐)』、そしてライヴ盤の『SECONDS OUT』にメチャクチャ思い入れがあるのです。


…とはいえ、プログレ系大物グループ周辺によるトリビュート企画やサイド・メンバーを交えてのリメイク企画には胡散臭いのが多くて、今まではほとんどスルー。ハケット『GENESIS REVISITED』も、1枚目はそうした。実際評判は良くなかったようだし。そころが2作目はスゴイ!と耳にし、早速購入。そりゃー確かに凄かった 凄かったんだが、あそこまでそのマンマだと、“だったら本物聴いた方が良いよなぁ…”という複雑な想いがあったのだ。

でもライヴは別。当時のままのリユニオンは可能性低いだろうし、仮に再結成してもアレンジは変わって当然だろう。ならばあの頃の音をそのままステージで再現できるのは、今はこのハケットのバンドしかない。

現にハケット以下の面々は、演奏完璧。ベースのヤツは完全にハケットの右腕となって、ギターを弾いたり、12弦ギターとベースのダブル・ネックで、ほぼマイク・ラザフォード状態だった。鍵盤もシンセじゃなく敢えてオルガン多用で、往年の味わいを醸し出す。意外に効いていたのがソプラノ・サックスの起用で、ハケットとユニゾンを効かせる場面も少なくなかった。

でもバンド以上に驚いたのは、ガブリエル役もフィル・コリンズ役も上手にこなすシンガーのナッド・シルヴァン。元々2人の声は似ていたから、ナッドも近い感じで歌えたのだろう。それに加えて奇妙なパントマイムや顔の表情の作り方、ちょっとした演出が、いちいちハマっていたと思う。細身でブロンドのロン毛、フリルの付いた純白のシャツという出立ちも、中世映画から飛び出してきたようだった。

演った曲は以下の通りだが、個人的には<The Musical Box>と10曲目以降に涙ナミダ ジェネシス初来日時の新宿厚生年金公演も鮮烈な印象が残っているけれど、音的には決して聴き劣りしない。イヤイヤ、小さめの小屋なのにシッカリとバリ・ライトを使ったライティングは、当時を越えていたかも知れない。大きな違いは、その音を創った本人は、ハケットただ一人だったということ。そこさえ割り切ってしまえば、本当に素晴らしいステージだった。

でもハケットは、このあと何処へ行くのだろうか…? 

《SET LIST》
1. Watcher Of The Skies
2. The Chamber Of 32 Doors
3. Dancing With The Moonlit Knight
4. Fly On A Windshield
5. Broadway Melody OF 1974
6. The Lamia
7. The Musical Box
8. Horizons
9. Blood On The Rooftops
10. Unquiet Slumber For The Sleepers
11. ...In THat Quiet Earth
12. Afterglow
13. I Know What I Like (in your wardrobe)
14. Dance On A Volcano
15. Entangled
16. Supper's Ready
- ENCOUR -
17. Firth Of Fifth
18. Los Endos