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ポップス・ファン待望の、ペギー・リプトン初CD化。基本的には人気女優のワン&オンリー・アルバムという位置づけだけれど、かのクインシー・ジョーンズの奥方だった時期もあり、曲作りも自分でこなす。カナザワが初めて彼女の名前を意識したのも、クインシーの絡みだったな。

リリースは68年、キャロル・キングがいたルー・アドラーのOde Labelから。レコーディング・メンバーも,当時のアドラー人脈にいたハル・ブレインやジョー・オズボーン、ラリー・ネクテル、マイク・ディージー、ジム・ゴードン、ジム・ホーンといった、いわゆるレッキング・クルーの面々だ。流麗なオーケストレーションは、名匠マーティ・ペイチ。そうなれば音も推して知るべしで、ロジャー・ニコルスやフィフス・ディメンションあたりのソフト・サウンディングなポップスが中心である。

このアルバムがポップス・ファンに愛されてきたかのは、まずはペギーの可憐な歌が要因。決して上手ではないけれど、16歳の頃から独学でピアノをマスターして曲を書き始めたというから、勘所はシッカリ掴んでいる。単なる女優人気の便乗作品だと思ったら,大間違いだ。

しかも彼女のオリジナルに加えて、キャロル・キング作品が<Natural Woman>など5曲、ローラ・ニーロのカヴァーが2曲。2人ともペギー自身のフェイヴァリットなので、まるで自分の曲みたいにスンナリ歌っている。レーベル・メイトでもあったキャロルは、この時期ザ・シティのアルバムを制作中。ザ・シティからはチャールズ・ラーキーが参加しているが、Special Thanksでクレジットされたキャロル自身も,レコーディングに参加した可能性が高いそうだ。

定価が他の紙ジャケよりちと高いのは、韓国ライセンスによる韓国プレス盤にも関わらず、わざわざ日本でジャケットを制作したから。しかもそのコダワリ方がハンパじゃなく、妙に分厚く野暮ったかった当時のアナログ盤ゲートフォールドをカッチリと再現している。CD化を待ち焦がれつつ、アナログ盤で楽しんでいたファンなら、きっとその価値が分かるだろう。

そんな風にスタッフが入れ込むほど、待ち詫びられたCD化。ずいぶん前からアチコチで再発の動きがあったものの、ことごとく実現しなかったのだから、その筋のファンは今回のリイシューを見逃さずに。