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昨日、タワーレコード渋谷/横浜ビブレ両店で開催された、レガシー・レコーディング〜AORセレクション及び『Light Mellow Legacy』発売記念のイベント、無事終了致しました。足をお運び戴きました皆様、どうもありがとうございました。当ブログにも「面白かった!」という声をお寄せ戴き、ホッと安堵しているカナザワです。
それに続いて、今月はもう1本イベント出演が決まっています。今をトキめくサウンド・クリエイター:冨田恵一(冨田ラボ)さんが上梓された著書の発売記念イベントに、ご本人から指名されてしまったのです。

その著作は、上掲 『ナイトフライ - 録音芸術の作法と鑑賞法 - 』。巻き帯をご覧戴けば分かるように、スティーリー・ダン・フリークとして知られる氏が、ドナルド・フェイゲンの名盤『THE NIGHTFLY』を語り尽くす!という内容です。

献本が届いたばかりで、まだ斜め読みさえロクにできていない状態ながら、序文に書かれた以下の文章だけで、氏がこの本に何を書こうとしていたのか、その概要が掴めます。

---- もしこれがスティーリー・ダン《Aja》だったらその質感を得る方法や、参加ミュージシャンの名人芸を賛美することに終始してしまう。《Nightfly》からは、それだけでは飽き足らなかったフェイゲンたちのドラマが聴こえてくるからスリリングなのだ。----

氏は、このたった1枚のアルバムをテーマに、250ページ超の壮大なレビューを書き上げた。もちろんそこでの言及は、スティーリー・ダンとの関連性やゲイリー・カッツを巡るプロデューサー論、エリオット・シャイナーやロジャー・ニコルスらのエンジニア論など各論に展開していく。が、そのひとつひとつが的確で、深い洞察力によって支えられているのは明らか。しかも、当世のNo.1ポップ・マエストロによる詳細解説だから、サッと目を通しただけでもカナザワに新しい示唆を与えてくれそうで、これからジックリ読み込んでいくのが楽しみになった。楽理に偏らず、譜面を使っての専門的説明を避けているのも一般音楽ファンに親切だし、作品の音楽的バックボーンは語っても、歌詞の思想的背景はスルー。優れた作り手は、自分がやれること、成すべきことをシッカリ押さえ、常にリスナー/読み手のことを考えているものなのだ。

冨田さんとは、今年初めの冨田ラボのライヴの時に、バックステージでご挨拶させていただいたのが初対面。実は以前、フェイゲンが『MORPH THE CAT』を出した時に対談する企画があったが、スケジュール等の問題で流れてしまった。アレは非常に心残りだったが、氏もその時のコトを覚えてくれていて、それが今回の対談に繋がったと思う。ただ、氏が本当にこのアルバムを深〜く聴き込んでいるので、その言葉に自分が即座に反応していけるかどうか、ちょっぴりプレッシャーも… 

それまでに自分もこの本を読破し、尚かつ『THE NIGHTFLY』を聴き直して備えることにしよう。お時間のある方は、是非おいで下さい。

■日時:7/30(水)19:30~21:00 (19:15開場)
■場所:dues新宿(ディスクユニオン新宿本店並び)
〒160-0022 新宿区新宿3-28-4 新宿三峰ビル4F
■ 参加方法:bookunion新宿にてチケット(1,500円)を販売 
 当日は別途ドリンク代がかかります。書籍購入割引あり。
  
詳細は、book unionの特設サイトまで。