

月も変わって、そろそろファンの熱りも冷めてきた頃なので、書いてもイイかな? カナザワ、初めてアイドル系のCD解説を書きました。先月メジャー・デビューしたエスペシアという女子5人組。AKBを縮小して平均年齢をアップさせたような娘たちで、言わば東京女子流の大阪版と言えば分かりやすいか。関西の方には、大阪・堀江出身のグループというともっとキャラが伝わるらしいが、それ以外の人には謎。若干歳が上なせいか、自分たちではアイドルと言わず、ガールズ・グループと名乗っている。
いずれにせよ、当ブログのお客さんには??だと思うので、下にインディー前作の音を貼っておこう。それを聴けば一発で分かると思うが、音が徹底的に80's。仕掛人たちに聴いたら、AORとかブラコンとか、もっといえばジャム&ルイスとかウェッサイが大好きで、メンバーたちがよく分からないのをイイことに、もう仕掛人たちが面白おかしく遊んじゃっているのだ。でもその作り込み方がハンパじゃなく、音作りからヴィジュアルまで徹底的にコダワっている。先日、家に遊びにきたミュージシャンにブラインドで聴かせたら、「誰ですかコレ? ヤバイぢゃないですかッ
」などと。インディ時代のCDのアートワークを並べると、もう完璧に鈴木英人や永井博の世界。ブックレットの中には高級ラブホのベッド周りのフォトなんかあって、アイドルとはまったくかけ離れたオトナの世界だ。
そのエスペシアがメジャー・デビューするに当たって、スタッフたちがその仕掛けのステージを一段上げようと画策。帯やディスクの盤面デザインなどは、トコトン当時の洋楽CDっぽい作りになった。そして普通は邦楽新譜には入れないライナーノーツを、当時のような折り込み形式で入れることにして、その執筆をカナザワにご指名戴いたワケだ。
でもさすがにコレは、チョッと躊躇した。彼らの狙いは電話で話してすぐ理解できたが、実際に解説を書くとなると、自分の立ち位置をどうすべきか…。それを迷ったのだ。で、お受けする条件として、マネージャーやらプロデューサーやらA&Rやら、スタッフの皆さんに話を聞かせて!と依頼した。通常のライナーであれば、アーティストのプロフィールやディスコグラフィを書いて、作品の背景や内容を書いて…、で済む。でもこの手は、ファンの方が彼女たちをよく知っている。そう思いながらスタッフと会って話をしているうち、方向性が決まった。要するに、作り手側の悪巧みに自分も乗ってしまおうと。
なので普段とはまったく違うアプローチをチョイス。思いっ切り大上段に構えて高飛車なスタンスを取り、尚かつロジカルに小難しく書いてやろうと。そう、70’sによくいたような、いかにも“評論家”っぽい文章を書いてやろうと。ついでに普段は書く機会のないアイドル商法批判などカマしてやろう、なんてコトも思いつつ。
おそらくピュアーなエスペシア・ファンは、何が書いてあるか、ほとんど分からないだろう。その高慢ちきな書き様にも怒り心頭になる。現に親サイトのメールフォームから、いくつか文句のメールが入ってきた。でもそうした批判は織り込み済み。その負のエネルギーを、別の方へ向けなさいよ!ってなモノである。でも一方で、エスペシアの成り立ちを分かっている人には、大喜びされたようで。あるブログでは、拙ライナーに対するこんなコメントを見つけた。
“当時の洋楽のライナーノーツによく散見されたような批評的な文を意識して書いたのかもしれないし、和モノやシティ・ポップスのコンピ『ライト・メロウ』シリーズを監修している立場からEspeciaの作品を純粋に評価したのかもしれないし、オタクたちへ向けてのやや挑発的な主張も含めて、そういうギミックとして書き上げたのかもしれない”
まぁ、これはすべて当たっていますね。
偉そうに書けば、多少はアイドル・オタクに対しての啓蒙になるかなと。ただ享楽的に音楽を楽しむんじゃなく、作品を随まで愛したいなら、その背景までチャンと追い掛けなさいよ!ってこと。そしてその意味が理解できたら、もう貴方はワンステップ成長している、ってコトなのだ。
ま、ココの常連さんは、とっくにそんな段階は過ぎてるハズなので、ネタ物として楽しんでいただければ。
インディでのアルバム『GUSTO』

そのエスペシアがメジャー・デビューするに当たって、スタッフたちがその仕掛けのステージを一段上げようと画策。帯やディスクの盤面デザインなどは、トコトン当時の洋楽CDっぽい作りになった。そして普通は邦楽新譜には入れないライナーノーツを、当時のような折り込み形式で入れることにして、その執筆をカナザワにご指名戴いたワケだ。
でもさすがにコレは、チョッと躊躇した。彼らの狙いは電話で話してすぐ理解できたが、実際に解説を書くとなると、自分の立ち位置をどうすべきか…。それを迷ったのだ。で、お受けする条件として、マネージャーやらプロデューサーやらA&Rやら、スタッフの皆さんに話を聞かせて!と依頼した。通常のライナーであれば、アーティストのプロフィールやディスコグラフィを書いて、作品の背景や内容を書いて…、で済む。でもこの手は、ファンの方が彼女たちをよく知っている。そう思いながらスタッフと会って話をしているうち、方向性が決まった。要するに、作り手側の悪巧みに自分も乗ってしまおうと。
なので普段とはまったく違うアプローチをチョイス。思いっ切り大上段に構えて高飛車なスタンスを取り、尚かつロジカルに小難しく書いてやろうと。そう、70’sによくいたような、いかにも“評論家”っぽい文章を書いてやろうと。ついでに普段は書く機会のないアイドル商法批判などカマしてやろう、なんてコトも思いつつ。
おそらくピュアーなエスペシア・ファンは、何が書いてあるか、ほとんど分からないだろう。その高慢ちきな書き様にも怒り心頭になる。現に親サイトのメールフォームから、いくつか文句のメールが入ってきた。でもそうした批判は織り込み済み。その負のエネルギーを、別の方へ向けなさいよ!ってなモノである。でも一方で、エスペシアの成り立ちを分かっている人には、大喜びされたようで。あるブログでは、拙ライナーに対するこんなコメントを見つけた。
“当時の洋楽のライナーノーツによく散見されたような批評的な文を意識して書いたのかもしれないし、和モノやシティ・ポップスのコンピ『ライト・メロウ』シリーズを監修している立場からEspeciaの作品を純粋に評価したのかもしれないし、オタクたちへ向けてのやや挑発的な主張も含めて、そういうギミックとして書き上げたのかもしれない”
まぁ、これはすべて当たっていますね。
偉そうに書けば、多少はアイドル・オタクに対しての啓蒙になるかなと。ただ享楽的に音楽を楽しむんじゃなく、作品を随まで愛したいなら、その背景までチャンと追い掛けなさいよ!ってこと。そしてその意味が理解できたら、もう貴方はワンステップ成長している、ってコトなのだ。
ま、ココの常連さんは、とっくにそんな段階は過ぎてるハズなので、ネタ物として楽しんでいただければ。
インディでのアルバム『GUSTO』
まーそういう意味でまんまと狙いにハマったのかもしれないですが、それ抜きにしても良いライナーとは思えないです。世代の問題か、このブログでもたまに90年前後〜“今ドキ”の音に言及されると、どうもズレてるな〜と思ったり、ムカッとすることが増えるのですが、このライナーもぶっちゃけ人選ミスだと感じました。
get Luckyはともかくhappyを例に出す流れはちょっと強引な気がしますし、80sの話をしつつ、とってつけたようにウエッサイなんて言い出して、雑な感じでヒップホップアーティストの名前を挙げているのにも違和感を覚えます。ひょっとしてこの人はウエッサイがAORやブラコンと自然に並ぶ感覚を実はあまりわかってないのかも?興味ないのかな?という気がするのです。
長々とアイドル論をぶったり、今作と直接関係ない名前に文字数を割いているわりに、肝心の「今作の制作陣を見ると〜」の行は浅い印象です。若旦那の名前を出したのに「湘南乃風」と書かなかった理由はなんですか?“気鋭の”なんて言葉で誤魔化したのでは?と疑ってしまいます。的外れだったら申し訳ないですが、いろいろ言いたくなってしまいました。