
“白いディアンジェロ” などと形容され、U.K.経由で大絶賛されている米ポートランド出身の新人シンガー・ソングライター、ジャロッド・ローソン。その初めてのジャパン・ツアー@Billboard Live Tokyo 1st Show を観た。ヴェニューのフロアへ下りると、珍しくステージ中央にグランド・ピアノがドカンと鎮座。そうか、この38歳の遅咲き新人は、コツコツと自主制作でアルバムを録音しながら、ピアノの調律師をやっていたんだった。
英メディアではディアンジェロやエリック・ベネイ、オマーらに比較され、多重コーラスはテイク6、メロウなところはロビン・シックらに比喩される。地元で毎年開催されるスティーヴィー・ワンダー・トリビュートのコンサートでは常連で、本人主催のバースデイ・パーティでは直々に招かれ、スティーヴィーの前でパフォーマンス/共演したとか。実際ミュージシャンになるキッカケは、スティーヴィーの『KEY OF LIFE』にハマッたことだそうだ。
全体的にどうもネオ・ソウル寄りの論調が目立つようだが、個人的にはCDを聴いてホセ・ジェイムスやグレゴリー・ポーターなど、最近のジャズ・シンガーに近いニュアンスを感じていた。熱く歌い込むタイプではないし、サザン・ソウル的なゴスペル臭もあまりしない(テイク6はクリスチャン・マーケット出身だが)。当人曰く「ジャズとソウルがほぼ等分で出来ている」と言うが、演奏フォーマットはむしろジャズのスタンス。アシッド・ジャズ風の洒脱さはあっても、グルーヴ感は押さえた感じだ。
で、実際のライヴ。フロア下手に陣取ったので、ジャロッドが目の前を通過してステージに上がるが、長身で、しかも初々しいルックスにビックリ。見た目はまるで20代である。元々ジャロッド イチ押しの相方などは、もうそれだけで目がハートになって鼻息を荒くしている
バンドはジャロッドのヴォーカル/ピアノに、ギター、ベース、ドラム、そして白黒の女性コーラス隊。演奏自体は学生バンドみたいな青臭さがあって、ヴォーカル/コーラスの練り具合が心地良く、ジャロッドのピアノが全体を引っ張って行く。曲によっては、ギターがかなりジャズ・ロックぽいニュアンスを出してくるのが興味深かった。ナマを観て思ったのは、70年代のベン・シドランとかジョージィ・フェイムとか、ヒップなソウル・ジャズで沸かせたり、クールなインテリジェンスを窺わせたりという、あの感じ。恣意的にソウルだのジャズへ向かうのではなく、どちらにも自在に自然体で行き来できる。アルバムではコンテンポラリーでファンキーなテイストも強かったが、ライヴはもっとシンプルでモア・ジャジー。ロビン・シックを髣髴させる瞬間はあったけれど、ディアンジェロやエリック・ベネイではない気がした。それにはもっと濃いアンサンブルが必要だろう。もっとも2nd Showでは、ディアンジェロのカヴァーを歌ったらしいから、サウンドやスタイルより、スピリット的に共鳴しているのかも。
…にしても、遅咲き新人らしい初々しさを醸し出しながら、演っている音、目指している音は極めてマチュア。これからも熱く見守りたい人だ。
全体的にどうもネオ・ソウル寄りの論調が目立つようだが、個人的にはCDを聴いてホセ・ジェイムスやグレゴリー・ポーターなど、最近のジャズ・シンガーに近いニュアンスを感じていた。熱く歌い込むタイプではないし、サザン・ソウル的なゴスペル臭もあまりしない(テイク6はクリスチャン・マーケット出身だが)。当人曰く「ジャズとソウルがほぼ等分で出来ている」と言うが、演奏フォーマットはむしろジャズのスタンス。アシッド・ジャズ風の洒脱さはあっても、グルーヴ感は押さえた感じだ。
で、実際のライヴ。フロア下手に陣取ったので、ジャロッドが目の前を通過してステージに上がるが、長身で、しかも初々しいルックスにビックリ。見た目はまるで20代である。元々ジャロッド イチ押しの相方などは、もうそれだけで目がハートになって鼻息を荒くしている

バンドはジャロッドのヴォーカル/ピアノに、ギター、ベース、ドラム、そして白黒の女性コーラス隊。演奏自体は学生バンドみたいな青臭さがあって、ヴォーカル/コーラスの練り具合が心地良く、ジャロッドのピアノが全体を引っ張って行く。曲によっては、ギターがかなりジャズ・ロックぽいニュアンスを出してくるのが興味深かった。ナマを観て思ったのは、70年代のベン・シドランとかジョージィ・フェイムとか、ヒップなソウル・ジャズで沸かせたり、クールなインテリジェンスを窺わせたりという、あの感じ。恣意的にソウルだのジャズへ向かうのではなく、どちらにも自在に自然体で行き来できる。アルバムではコンテンポラリーでファンキーなテイストも強かったが、ライヴはもっとシンプルでモア・ジャジー。ロビン・シックを髣髴させる瞬間はあったけれど、ディアンジェロやエリック・ベネイではない気がした。それにはもっと濃いアンサンブルが必要だろう。もっとも2nd Showでは、ディアンジェロのカヴァーを歌ったらしいから、サウンドやスタイルより、スピリット的に共鳴しているのかも。
…にしても、遅咲き新人らしい初々しさを醸し出しながら、演っている音、目指している音は極めてマチュア。これからも熱く見守りたい人だ。