
現在進行中のアヴェレージ・ホワイト・バンド黄金期のリイシュー10作品のうち、77年に発表されたベン・E・キングとの共演盤『BENNY & US』以降の後半5枚が4月8日にタワー・レコードで先行リリース(一般発売は5/6)される。今日はその中から、デヴィッド・フォスター制作の人気盤『SHINE+4』(80年)をピックアップしよう。タイトル通り、当シリーズではボーナス・トラック4曲を追加収録した唯一の盤になる。
既にお察しの方も少なくないと思うが、“+4” とは、アリスタ移籍1作目として登場した『SHINE』の直後に、古巣アトランティックから発売された『VOLUME VIII』の片面に収められていた未発表曲4曲のことだ。過去の日本盤では、初CD化時の『FEEL NO FRET』に入っていたが、今回ようやく “あるべき処に入れることができた” と感慨深い。…というのは、共にデヴィッド・フォスターが手掛けたこの2枚(正確には1枚半になるが)、元々はひとつのセッションで録られたモノだったのだから。
『VOLUME VIII』というアルバムは、フォスター・プロデュースの未発表曲4曲をA面に、それまでアトラティックから出していた代表曲にをB面にした編集盤だった。以前の『SHINE』の解説にも書かれていたように、発売順は『SHINE』の後だが、実際のレコーディングはその前で、“その延長として再びフォスターに依頼したのがこの『SHINE』”とされている。
ところがその後明らかになったところでは、このフォスターとのセッションは別々に設けられたのではなく、ひとつの連なったプロジェクトだったのが分かっている。『FEEL NO FRET』で初めてセルフ・プロデュースに挑んだAWBの面々だったが、その難しさに直面したか、新作プロデューサーとしてレオン・シルヴァースに白羽の矢を立てた。ところが諸々あってこの企画は実現せず、次善の策としてメキメキ頭角を現していたフォスターに制作を依頼。まずはフォスター、アラン・ゴーリー、ヘイミッシュ・スチュワートの3人で数曲を書き上げ、レコーディングに突入していく。
ところがその最中に、アリスタへの移籍話が飛び込んだ。元々アトランティックとの契約に満足できなくなっていたメンバーたち。そこで、先に完成していた新曲4曲のマスターテープをアトランティックへ渡し、AWBはアリスタへ移ってレコーディングを続けることになった。つまりこの2枚は、移籍によって分断された同一プロジェクトだった。こうして『SHINE』と『VOLUME VIII』は、ほぼ同発されることに。ちなみに『VOLUME VIII』とは、アトランティックでの8作目という意味である。
我々AORファンにとっては、フォスターの初期プロデュース作として人気の『SHINE』。しかしバンド側にとっては、様々な変化の兆しが現われた作品として、いろいろな想いが交錯しているようだ。“アトランティックに渡した曲があれば、もっと良いアルバムになった” と発言するメンバーもいる。まぁその辺りの詳細は、是非今回の再発盤の拙ライナーをお読み戴きたい。ヘイミッシュとネッド・ドヒニーが共作した名曲<What'cha Gonna Do For Me>のレコーディング秘話も明かされているので。
なお今回の5作では、『BENNY & US』『WARMER COMMUNICATION』の2枚が日本初CD化。オリジナル期の最終作となる『CUPIDS IN FASHION』は、英盤や国内アナログ盤と同じマネキン・ジャケになる(メンバーの白装束ジャケは米盤仕様)。
また、このゴールデン・ウィークに来日公演を行なうネッド・ドヒニーには、次号レコードコレクターズ誌で電話インタビューを行なっていて、『HARD CANDY』や昨年出た未発表曲集『SEPARATE OCEAN』の話を訊いている。そこにも<What'cha Gonna Do For Me>の話がチラリと出てくるので、ファンは是非チェックを。
タワーレコード AWB再発 特設ページ
タワーレコード限定発売『Light Mellow AWB』
『VOLUME VIII』というアルバムは、フォスター・プロデュースの未発表曲4曲をA面に、それまでアトラティックから出していた代表曲にをB面にした編集盤だった。以前の『SHINE』の解説にも書かれていたように、発売順は『SHINE』の後だが、実際のレコーディングはその前で、“その延長として再びフォスターに依頼したのがこの『SHINE』”とされている。
ところがその後明らかになったところでは、このフォスターとのセッションは別々に設けられたのではなく、ひとつの連なったプロジェクトだったのが分かっている。『FEEL NO FRET』で初めてセルフ・プロデュースに挑んだAWBの面々だったが、その難しさに直面したか、新作プロデューサーとしてレオン・シルヴァースに白羽の矢を立てた。ところが諸々あってこの企画は実現せず、次善の策としてメキメキ頭角を現していたフォスターに制作を依頼。まずはフォスター、アラン・ゴーリー、ヘイミッシュ・スチュワートの3人で数曲を書き上げ、レコーディングに突入していく。
ところがその最中に、アリスタへの移籍話が飛び込んだ。元々アトランティックとの契約に満足できなくなっていたメンバーたち。そこで、先に完成していた新曲4曲のマスターテープをアトランティックへ渡し、AWBはアリスタへ移ってレコーディングを続けることになった。つまりこの2枚は、移籍によって分断された同一プロジェクトだった。こうして『SHINE』と『VOLUME VIII』は、ほぼ同発されることに。ちなみに『VOLUME VIII』とは、アトランティックでの8作目という意味である。
我々AORファンにとっては、フォスターの初期プロデュース作として人気の『SHINE』。しかしバンド側にとっては、様々な変化の兆しが現われた作品として、いろいろな想いが交錯しているようだ。“アトランティックに渡した曲があれば、もっと良いアルバムになった” と発言するメンバーもいる。まぁその辺りの詳細は、是非今回の再発盤の拙ライナーをお読み戴きたい。ヘイミッシュとネッド・ドヒニーが共作した名曲<What'cha Gonna Do For Me>のレコーディング秘話も明かされているので。
なお今回の5作では、『BENNY & US』『WARMER COMMUNICATION』の2枚が日本初CD化。オリジナル期の最終作となる『CUPIDS IN FASHION』は、英盤や国内アナログ盤と同じマネキン・ジャケになる(メンバーの白装束ジャケは米盤仕様)。
また、このゴールデン・ウィークに来日公演を行なうネッド・ドヒニーには、次号レコードコレクターズ誌で電話インタビューを行なっていて、『HARD CANDY』や昨年出た未発表曲集『SEPARATE OCEAN』の話を訊いている。そこにも<What'cha Gonna Do For Me>の話がチラリと出てくるので、ファンは是非チェックを。
タワーレコード AWB再発 特設ページ
タワーレコード限定発売『Light Mellow AWB』
いつも興味深い情報を有難うございます。今回も楽しく読ませていただきました。
ところで、リンクされているタワーレコードの特設ページに、Feel No Fretで「デヴィッド・フォスターを迎え」、Shineでは「前作に続いてデヴィッド・フォスターを起用」と書かれていますが、フォスターはSHINE+4だけですよね?