simply red
解散していたシンプリー・レッドが、結成30周年を機に活動再開。8年ぶりのニュー・アルバム『BIG LOVE』を発表した。ミック・ハックネルはこのところ趣味的なソロ・アルバムを出したり、フェイセズでロッド・スチュワートの代わりに歌ったりしていたが、ようやく変えるべき場所へ戻った、ということか。

盟友関係にある屋敷豪太は日本に帰って来ているので、今回の合流はなかったが、もうひとりパートナーであるアンディ・ライトはミックと一緒にコ・プロデュース。加えて最近はミック・ハックネル周辺にいることが多かったケンジ・ジャマーこと鈴木賢司(g)が、しっかりメンバーとしてクレジットされれ、印象的なギター・ワークを披露している。

リード・トラックの<Shine On>は、如何にもシンプリー・レッドらしい英国産ブルー・アイド・ソウル。ゴージャスなストリングス使いが圧巻の<The Ghost Of Love>など、聴き処は少なくない。ケンジのワウを効かせたギター・カッティングなんて、ほとんどバリー・ホワイトのそれだ。いつも斜に構えていたイメージのミック・ハックネルだが、歳を取ったせいか、なかなか素直で屈託のない音楽を創るようになった印象。<Holding Back The Years>や<If You Don't Know Me BY Now>のようなビッグ・ヒットは出ないまでも、アルバム全体的はポップで親しみやすい。

年末には本作を引っ提げてのヨーロッパ・ツアーが計画されているそうだが、来日はないのかな?