cory wells
スリー・ドッグ・ナイトの中核シンガーのひとりであるコリー・ウェルズが、去る10月20日、ホームタウンのニューヨーク州ダンカークで亡くなった。享年74歳。死因は明かされていないが、数週間前から背中の痛みを訴えていたそうだ。

スリー・ドッグ・ナイトは、コリーとチャック・ネグロン、ダニー・ハットンのヴォーカル・トリオと見られがちだが、実際は彼らをフロントに据えた7人組。68年にデビューし、<Joy to The World(喜びの世界)>や<An Old Fashioned Love Song>、 <The Show Must Go On >といった全米ヒットを放っている。76年に解散したが、80年代に入って再結成。メンバー交代が相次ぐも、近年はコリーとダニーを中心にツアーを行っていた。

なので一般的には、スリー・ドッグ・ナイトの〜、というのがコリーを紹介するときの枕詞。でもAORファンには、やはり78年発表の初ソロ・アルバム『TOUCH ME』だろう。このアルバムは、ボズ・スキャッグス張りのナイスな都会派ブルー・アイド・ソウル作で、参加メンバーもデヴィッド・フォスター、ジェイ・グレイドン、スティーヴ・ルカサー、ビル・チャンプリン、それにスリー・ドッグ・ナイトに関わったジェイ・グルスカ(Ex-マクサス)らが揃い踏みという豪華さを誇った。グレイドン=フォスターやグルスカのほか、トム・スノウの提供曲も入っている。しかも78年だから、TOTO/エアプレイ色はあまり強くなくて、しなやかにソウルフル&グルーヴィー。AORファンに注目されたのはずっとずっと後のことで、発売当時はあくまでスリー・ドッグ・ナイトの看板シンガーの初ソロ作、ゲストのリタ・クーリッジや楽曲提供したデヴィッド・ゲイツの名前で売り出された。

カナザワが世界初CD化を仕掛け、ようやく実現したのも僅か数年前のこと。それより先に2ndの『AHEAD OF THE STORM』(78年)の方が発売されたが、こちらは実は発売目前でリリースが見送られた蔵出し作品であった。確かにあのロック寄りの作りは、コリーにはトゥ・マッチだったと思う。

もしAOR好きでコリー・ソロを未聴の方がいたら、とにかく『TOUCH ME』だけは聴いてほしい。グレイドンの未発表音源集『PAST TO PRESENT - THE 70S』でも、このアルバムのポジションが分かるはずです。ちょっと思い入れのあった人だけに、ちょっとイタイな…。

Rest in Peace...