timothy b schmit 016
前作『EXPANDO』から約7年ぶり、ティモシー・B・シュミットの通算6作目のソロ・アルバムが届いた。ここ数年は活動を再開したイーグルスで忙しかったティモシーだが、グレン・フライの休養〜逝去により、図らずも時間が空いたのだろう。ドン・ヘンリーはツアー中のようだし、ジョー・ウォルシュの来日もある。更に、ひと足先にメンバーから外れたドン・フェルダーのジャパン・ツアーだってもうすぐ。残ったメンバーが同時多発的に忙しくなっているのは、それぞれの活動を楽しむというより、自分の仕事に集中してグレンへの想いを断ち切りたいからかも…。

さて、このティモシー 久々のソロ作。1曲目が ど・カントリー、2曲目がレゲエで、最初はズッコケた。でも徐々に聴き進んでいくと、地味ながらもアコースティックでハートフルな佳曲が多いと気づく。<I Can't Tell You Why>を期待するとハズすが、ポコ時代のティモシーを考えれば納得、というところか。ドン・ヘンリーの新作もカントリー志向だったので、ある程度の予感はあったが、個人的には土着的なドンよりもティモシーのメロディの方がシックリ来る。

ジャズ・ヴィブラフォンのゲイリー・バートン、スティール・ギターの名手ポール・フランクリンらの参加がウェブサイトで予告されていたけれど、クレジットを見ると、おやおや、マニア心をソソられる名前がズラリ。ドラムにジム・ケルトナー、キーボードにベンモント・テンチ、フィドルにドゥービー・ブラザーズのジョン・マクフィー、バック・ヴォーカルにハーブ・ペンダーセン、そして何とヴァン・ダイク・パークスが2曲アコーディオンを弾いている。

基本的にはティモシー自身がギター、ベース、コーラス、曲によってはドラムやパーカッションまで手掛けるマルチ・プレイヤーぶりを発揮。それを『EXPANDO』にも参加していたギターのハンク・リンダーマンがサポートし、共同プロデュースする形。カナザワがリンダーマンを意識したのは、ロバート・ラムやジェリー・ベックリー周辺の仕事が最初だったと思うが、最近はシカゴや前述ドン・ヘンリーの最新作でも重要なポジションにいた。もちろんイーグルス『LONG ROAD OUT OF EDEN』にも参加している。

全体的にフォーク〜カントリー・ロック色が濃い目だけれど、マッスル・ショールズ風のR&Bスタイルやファンキー・ロックを披露する楽曲もあるし、哀愁味を漂わす弾き語りも入っている。ラストの<This Waltz>は、イーグルスでドン・ヘンリーに歌わせてみたかったタイトル通りのカントリー・ワルツ。終盤は何やらビートルズ展開で盛り上がる。

しかしこの新作一番の聴きモノは、アル・ジャーディンの息子たちと一緒に歌った、ビーチ・ボーイズ・マナーによる美メロのスロウ・バラード<The Island>。コレ1曲で、このアルバムをゲットする価値アリです。