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1月24日夜にフロリダ州ウェスト・パーム・ビーチで急死したオールマン・ブラザーズ・バンドのドラマー、ブッチ・トラックス追悼。facebookでは速報したが、その後短銃自殺だったことが判明した。享年69歳。オールマンズは、ウォーレン・ヘインズと甥デレク・トラックスのギター・コンビが、揃って14年いっぱいでのグループ脱退を表明。同年10月に最後のライヴを行ない、そのまま解散状態となっていた。ブッチは音楽活動を続けていたそうだが、もしオールマンズが継続していたら、もしかして…、と思うとやるせない。

正直ノンビリと感傷に浸っている時間はないのだが、2年前にゲットしたきり、未だに全部聴き切れてなかった輸入盤のみの『THE 1971 FILLMORE EAST RECORDINGS』Blu-ray3枚組を取り出してきた。CDでは6枚組Boxで出たモノで、Blu-rayは5.1chのサラウンド仕様。これだとレコードやCDよりも楽器のパーテイションがハッキリしているので、向かって右がブッチのプレイかな?なんて。実は学生の時、1年ぐらいツイン・ドラムでオールマンズのコピーを演ってた時期があるので、この名ライヴには思い入れが深い。<In Memory Of Elizabeth Reed>とか<Hot 'Lanta>とか、ほとんど完コピしてましたもん。上手く演奏できてたかどうかは別問題だけど…

で、この完全版。ファンならご存知の通り、71年3月12日の1st / 2nd show、翌13日の1st / 2nd show、6月27日のフィルモア・イースト閉館の日のショウが、丸ごと収録されている。このフィルモア・ライヴは、オリジナルの他に拡大版『THE FILLMORE CONCERT』(92年)、それにお馴染み『EAT A PEACH』での<Mountain Jam>とか、デュエインのアンソロジー盤などでも断片的に音源が出ていたが、このBlu-ray3枚組では全37曲中15曲が初出の貴重トラック。とりわけ12日1st set は全曲蔵出しという、実にソソられる音源なのだ。

とはいえ、この3月のフィルモア・イースト公演は、実は2日間ではなく3日間。前日11日にも公演があり、トム・ダウドがそれを録っていた。しかし初日はバンドにホーン・セクションが付いていて、それがまったくフィットしていなかったとか。そのためダウドが、ライヴ録音するならホーンを外せ、と指示。初日のテープはすべて消され、2日目/3日目のライヴ・ソースで名盤『FILLMORE EAST LIVE』が作られた。でもそこで躍動したはずのデュエイン、ベリー・オークリーが間もなく鬼籍に入り、今またブッチ・トラックスが…。

5回分の公演をジックリ聴き比べられるのがいつになるかは分からないけど、改めて Rest in Peace...