
4月第1週ということで、今日が実質的な新年度の幕開け。入学や入社だけでなく、転勤、転職、部署異動、転校など、この機に新生活をスタートさせた人も多いことと思う。かく言う自分も、気持ち的には新しいステージへと進んで心機一転したいところ。でも現実的には、なかなか前へ踏み出せないまま…。満開の桜をひとり見上げることにはとっくに慣れているけど、今年はチョットばかりマブし過ぎるようで…



さて今日は、またしてもメモリアル。既報の通り、世界的な国産電子楽器メーカー:ローランドの創業者で、電子楽器界のカリスマでもある梯(かけはし)郁太郎氏が、4月1日までに亡くなった。享年87歳。
ローランドは、80年代に梯氏の指揮下で開発されたリズム・マシンのTR-808, 909、ポリフォニックの傑作アナログ・シンセ:JUPITER-8、初代デジタル・シーケンサーMC-8などの電子楽器で有名。特にTR-808は、通称ヤオヤと呼ばれ、現在でもテクノやEDMなど、クラブ方面でのスタンダードとなっている。と同時に、異なるメーカーの電子楽器同士をシームレスに繋げる世界共通規格:MIDI(ミディ)の開発に尽力。83年に世界的楽器ショーNAMMで、初のMIDIシステムを披露した。これが今日の楽器テクノロジーの進化を早め、2012年にグラミー賞技術賞を受賞。「MIDIは楽器にとっての言語。そこから金は取れない」と、パテントを主張しなかったのが普及を早めたそうだ。ローランドを退いたのも、利益追求で会社を大きくしたい当時の経営陣と、長期的視点から音楽文化に貢献すべしとする梯氏の衝突だったと伝えられる。昨今の音楽業界、利益と文化、何処でも起きることは似ているようだ。
ローランドのTR-808と聞いてカナザワが真っ先に思い出すのは、マーヴィン・ゲの<Sexual Healing>とフィル・コリンズ<One More Night>の2曲。もちろん、ジミー・ジャム&テリー・ルイスによる一連のプロデュース作品のパーカッション的使用法も画期的だった。でも<Sexual Healing>や<One More Night>では、ゆったりしたミディアム・スロウで超ストイックにリズムを刻む、その半ば媚び薬的なビート感に、強力に惹き込まれたのを思い出す。
梯氏の逝去の報を聞き、超久々にフィル・コリンズのアルバムを手に取った。3枚目のソロ作『NO JACKET REQUIRED』(85年)。最近出た2枚組リマスター/デラックス盤も購入したが、実はまだ未開封だったりして…。でも記憶の中で色褪せ、相当に古めかしくなっていると思っていたその音は、意外にもなかなか新鮮に響いてきた。よく見ると、楽曲によっては808だけでなく後継機909も使っているし、ひと世代前の Linn Drumも併用している。この辺りは、さすがドラマーというべきかも。
R.I. P... Mr. Kakehashi.
ローランドは、80年代に梯氏の指揮下で開発されたリズム・マシンのTR-808, 909、ポリフォニックの傑作アナログ・シンセ:JUPITER-8、初代デジタル・シーケンサーMC-8などの電子楽器で有名。特にTR-808は、通称ヤオヤと呼ばれ、現在でもテクノやEDMなど、クラブ方面でのスタンダードとなっている。と同時に、異なるメーカーの電子楽器同士をシームレスに繋げる世界共通規格:MIDI(ミディ)の開発に尽力。83年に世界的楽器ショーNAMMで、初のMIDIシステムを披露した。これが今日の楽器テクノロジーの進化を早め、2012年にグラミー賞技術賞を受賞。「MIDIは楽器にとっての言語。そこから金は取れない」と、パテントを主張しなかったのが普及を早めたそうだ。ローランドを退いたのも、利益追求で会社を大きくしたい当時の経営陣と、長期的視点から音楽文化に貢献すべしとする梯氏の衝突だったと伝えられる。昨今の音楽業界、利益と文化、何処でも起きることは似ているようだ。
ローランドのTR-808と聞いてカナザワが真っ先に思い出すのは、マーヴィン・ゲの<Sexual Healing>とフィル・コリンズ<One More Night>の2曲。もちろん、ジミー・ジャム&テリー・ルイスによる一連のプロデュース作品のパーカッション的使用法も画期的だった。でも<Sexual Healing>や<One More Night>では、ゆったりしたミディアム・スロウで超ストイックにリズムを刻む、その半ば媚び薬的なビート感に、強力に惹き込まれたのを思い出す。
梯氏の逝去の報を聞き、超久々にフィル・コリンズのアルバムを手に取った。3枚目のソロ作『NO JACKET REQUIRED』(85年)。最近出た2枚組リマスター/デラックス盤も購入したが、実はまだ未開封だったりして…。でも記憶の中で色褪せ、相当に古めかしくなっていると思っていたその音は、意外にもなかなか新鮮に響いてきた。よく見ると、楽曲によっては808だけでなく後継機909も使っているし、ひと世代前の Linn Drumも併用している。この辺りは、さすがドラマーというべきかも。
R.I. P... Mr. Kakehashi.
しかし当時この話題はマスコミではあまり大きく取り上げられていなかったように思います。
歌番組で歓声を浴びている人気者だけがミュージシャンでないのと同様に、ミュージシャンだけが音楽を支えているわけではないことを改めて心に留めておきたいと思います。
心よりご冥福をお祈りいたします。