doobie live
都内某所でJ-POP系シンガーの新作カヴァー・アルバムの打ち合わせ〜ドゥービー・ブラザーズ@日本武道館へ。映像作品を結構観ているためか、果たしてナマの彼らを最後に観たのが一体いつだったか、ハッキリした記憶がない 再結成後の代々木オリンピック・プールで観たあと、しばらくして東京国際フォーラムで観た気がするが、09年のデレク・トラックス・バンドとのカップリング・ツアーは行けてない… ちなみにドゥービーズの武道館公演は、21年ぶりなのだとか。

前日のポール・マッカートニーは、どうやら一部音楽関係者に招待が出まくってたらしいが、今日のドゥービーは当日券こそ発売されたものの、エルダー世代のファンでほぼ満員。東京はこの1日だけなので、知り合いも多数詰めかけていたらしく、深夜以降のfacebookはドゥービー関連のポストで埋め尽くされた(苦笑)

さて肝心のショーは、始まる前から熱気ムンムン。定刻直前から客入れBGMの曲が終わるたびに、登場を促す拍手や歓声が湧き上がる。近年のオーディエンスは客電が落ちるまで静かに待ってるが、昔はこんな風に熱かったよなぁ、と開演前から懐かしい気持ちになった。ショウは豪放なリズムと分厚いコーラス全開の<Jesus Is Just Alright>で、いきなりスタート。オリジナル・メンバーのトム・ジョンストンとパット・シモンズを挟むように、解散間際からのメンバー:ジョン・マクフィー(g)、そしてサポート・メンバーのジョン・コーワン(b)の4人が横一列になってマイクに向かう。イーグルスもそうだけど、このスタイルが如何にも、ハーモニーを大事にするアメリカン・ロックっぽい。

そして嬉しいことに、後方に控えるキーボード奏者は何と、開店休業中であるリトル・フィートのビル・ペイン。サックスは最近ずっとツアーに参加するマーク・ルッソ(元イエロージャケッツ)だ。オールド・ファンならご存知のように、ビルはマイケル・マクドナルド加入前のアルバムの多くに参加したレギュラー・ゲストだから、今回の同行は非常に嬉しい。

セットリストは以下をご覧戴きたいが、頭3曲、そしてビルのソロ・パートをイントロにフィーチャーした<Sweet Maxine>以降は、まさに圧巻のパフォーマンス。よもや、マイケルの楽曲<Takin' It to the Streets>を演るとは思わなかった しかもパットとジョン・コーワンのヴォーカルがイイ感じで、本家マイケル不在を感じさせない。このコーワン、実はベラ・フレックもメンバーに連なるプログレッシヴなブルー・グラス・バンド:ニュー・グラス・リヴァイヴァルで70年代から活躍するベテラン。ベースのみならずリード・シンガーとしても活躍していたので、現行ドゥービーへの貢献は小さくないのだろう。トム、パット、そしてジョンと、個性の異なるギター・ソロの掛け合いも、如何にもドゥービーらしい。<Black Water>では、 “Mississippi Moon won't you Keep on shinin' on me?” のトコロを “Tokyo Moon” と歌い替えるおキマリもシッカリと。トムのハイトーン・ヴォーカルは、まったく歳を感じさなかった。スゴイッ

そのコーワンの存在が影響したかどうかは不明だが、中盤はカントリーやR&Bテイストが濃い、やや地味めのレパートリが続いた。その煽りか、カナザワが期待していたライヴ映えする<Road Runner>がセットから外されてしまったのが残念。残念といえば、オリジナル・ドゥービーの売りだったツイン・ドラムが一人になり、パーカッションも不在。往年に比べリズム隊がシンプルだったのも、少々不満が残った。でもそれも些細なモノ。トータルでは充分満足したし、久々にアメリカン・ロックの醍醐味を堪能した1時間半だった。

1. Jesus Is Just Alright
2. Rockin' Down the Highway
3. Take Me in Your Arms (Rock Me a Little While)
4. Another Park, Another Sunday
5. Clear as the Driven Snow
6. Spirit
7. World Gone Crazy
8. Eyes of Silver
9. Dark Eyed Cajun Woman
10. Sweet Maxine
11. Takin' It to the Streets
12. The Doctor
13. Black Water
14. Long Train Runnin'
15. China Grove
-- Encore --
16. Without You
17. Listen to the Music