今は引退し、L.A.でジュエル・デザイナーとして、また音楽プロデューサー:リチャード・ルドルフの後添い(すなわちミニー・リパートンの後妻)となっている元ジャズ・シンガー:笠井紀美子のベスト・アルバムが、密かにリリースされた。ジャズ・シンガーとしてはすっかり過去の人だが、クラブ・シーンでは未だ人気が高く、CDよりむしろアナログ盤が高値取引されている。そうした意味で、76年から84年に発表した全シングル(7inch+12inch)を集めたベスト盤というのは、結構ニーズに合っているな。彼女のシングル盤って、結構レアだから。少なくても、歌謡曲やアイドル・シンガーたちのゴールデン☆ベストとは毛色の違ったリスナー層に受け入れられそうな一枚だ。
いわゆるジャズ・ヴォーカリストなら、普通はアルバムを聴けばコトは済む。でもコンピレーションが組めるほどシングル盤が出ていたということは、ヒットやオンエアを狙ったクロスオーヴァー・スタイルが顕著ということ。事実80年代になると、AOR CITYシリーズにピック・アップしたAOR〜アーバン・ブラック・スタイルのコンテンポラリー作品が少なくない。
でもクラブ人気、このベスト盤のハイライトになりそうなのは、もう少し時代を遡った70年代後期の作品群だ。ジャズ・シンガーなのに真っ先にクロスオーヴァーに反応し、コルゲン・バンドをバックに従えて山下達郎楽曲を歌ったり、ハービー・ハンコックとジャズ・ファンクのアルバムを作ったり…。シングル・カットがなかったのかココには未収録なから、かまやつひろしプロデュースでニュー・ロックに挑戦したアルバム『アンブレラ』が、何と73年発表とズバ抜けて早く、つのだひろ(ds)や村井邦彦(kyd)の他、変名でティン・パン・アレーの細野晴臣が宇野もんど名で、鈴木茂がほしいも小僧名で参加している。自らもモデルとしてCMに登場するなど、“翔んだ女性” の最前線を行っていた女性なのだ。
このアルバムも、収録曲自体はアルバムで聴けるものばかりだが、全16曲中7曲がシングル・ヴァージョン。2曲がアルバム未収の12インチ・シングルというコレクション。でもそれが分かりやすいと思うのだ。個人的には、シカゴ録音の<フォール・イン・ラブ (We Can Fall In Love>、達郎氏<Love Celebration>の日本語歌詞版<バイブレイション> 、スティーヴィー・ワンダー<Us>のカヴァー、そしてハンコックとの定番曲<I Thought It was You>などが圧巻で。もちろん笠井紀美子入門編にもふさわしく、彼女がどんなシンガーだったのか簡単に掴める内容である。
でもクラブ人気、このベスト盤のハイライトになりそうなのは、もう少し時代を遡った70年代後期の作品群だ。ジャズ・シンガーなのに真っ先にクロスオーヴァーに反応し、コルゲン・バンドをバックに従えて山下達郎楽曲を歌ったり、ハービー・ハンコックとジャズ・ファンクのアルバムを作ったり…。シングル・カットがなかったのかココには未収録なから、かまやつひろしプロデュースでニュー・ロックに挑戦したアルバム『アンブレラ』が、何と73年発表とズバ抜けて早く、つのだひろ(ds)や村井邦彦(kyd)の他、変名でティン・パン・アレーの細野晴臣が宇野もんど名で、鈴木茂がほしいも小僧名で参加している。自らもモデルとしてCMに登場するなど、“翔んだ女性” の最前線を行っていた女性なのだ。
このアルバムも、収録曲自体はアルバムで聴けるものばかりだが、全16曲中7曲がシングル・ヴァージョン。2曲がアルバム未収の12インチ・シングルというコレクション。でもそれが分かりやすいと思うのだ。個人的には、シカゴ録音の<フォール・イン・ラブ (We Can Fall In Love>、達郎氏<Love Celebration>の日本語歌詞版<バイブレイション> 、スティーヴィー・ワンダー<Us>のカヴァー、そしてハンコックとの定番曲<I Thought It was You>などが圧巻で。もちろん笠井紀美子入門編にもふさわしく、彼女がどんなシンガーだったのか簡単に掴める内容である。