ブラジルのアーバン・メロウ達人/グルーヴ・マスター、マルコス・ヴァーリ。前作『ESPHERA』以来、何と9年ぶりとなる新作『SEMPRE』が素晴らしい〜。その『ESPHERA』も確か6〜7年ぶりだったはず。それでも70〜80年代作品の復刻が相次いでいるし、14年にはマルコスのデビュー50周年ライヴ盤(withステイシー・ケント)もあったから、あまりお久しぶり感はない。…ってか、87年頃からずーっと表舞台に立たず、90年代も終わりに近くになって、ようやくロンドンのクラブ・シーンで復活した人。そこから数えると、20余年で5作目になる。まぁとにかく、“カリオカ・ソウル” なんて称されてもいる黒っぽいマルコスが好きな向きは、どうか素通りナシで願います。
実際に90年代末の復活以来、このニュー・アルバムが最もアーバン・ファンクしているのでは? クレジットを見ると、やはり同じ頃にロンドンで復活を遂げたアジムスのアレックス・マリェイロス(b)、パット・メセニーのところにいたアルマンド・マルサル(perc)などのクレジットがあり、なるほどな、と思わされる。アジムスはジョー・デイヴィス主宰の Far Out Recordings でのレーベルメイトでもあるし。
でも今作のキモは、プロデュース/アレンジ/プログラム/エンジニア/ミックスなど、ほとんどの作業を手掛けているダニエル・モーニックの存在だ。マルコスとの共作曲も3曲ある。だから実質的には、マルコスとダニエル・モーニックのコラボ・アルバム、と言って差し支えない。
では、このダニエル・モーニックとは何者か? ファミリー・ネームでピ〜ンと来た方もいるだろう、あのインコグニートのブルーイことジャン・ポール・モーニックの息子、すなわち DJヴェノムなのである。振り返ってみればブルーイは、復活まもない頃のマルコス作品をプロデュースしていた御仁。実を言えば、ダニエルの起用もコレが初めてではなく、前作『ESPHERA』でもプロデュースを担っていた。それでも前作はもっとブラジル〜ラテン色が強かった記憶があるから、このグルーヴ感の増量は、やはり 80's サウンドがリヴァイバルしている今の空気に寄り添ったものなのだろう。
リオン・ウェアと共演したり、シカゴとも絡んだり、AORファンもシッカリ凝視したくなるマルコス・ヴァーリ。10月にはアジムスとの来日公演もあるので、併せて要チェックです。
でも今作のキモは、プロデュース/アレンジ/プログラム/エンジニア/ミックスなど、ほとんどの作業を手掛けているダニエル・モーニックの存在だ。マルコスとの共作曲も3曲ある。だから実質的には、マルコスとダニエル・モーニックのコラボ・アルバム、と言って差し支えない。
では、このダニエル・モーニックとは何者か? ファミリー・ネームでピ〜ンと来た方もいるだろう、あのインコグニートのブルーイことジャン・ポール・モーニックの息子、すなわち DJヴェノムなのである。振り返ってみればブルーイは、復活まもない頃のマルコス作品をプロデュースしていた御仁。実を言えば、ダニエルの起用もコレが初めてではなく、前作『ESPHERA』でもプロデュースを担っていた。それでも前作はもっとブラジル〜ラテン色が強かった記憶があるから、このグルーヴ感の増量は、やはり 80's サウンドがリヴァイバルしている今の空気に寄り添ったものなのだろう。
リオン・ウェアと共演したり、シカゴとも絡んだり、AORファンもシッカリ凝視したくなるマルコス・ヴァーリ。10月にはアジムスとの来日公演もあるので、併せて要チェックです。