マイケル・ジャクソンのDNAを宿したイタリアの神童が20歳代最後に放つ、本領発揮のアーバン・ポップ・ファンク作品、ココに完成。
クインシー・ジョーンズ、デヴィッド・フォスター、プリンス、ジョージ・デュークらから絶対の信頼を得る敏腕エンジニア:トミー・ヴィカリのプロデュースの下、ロッド・テンパートンとジェフリー・オズボーンがヴォーカル・アレンジを担当。 L.A.の名だたるヴェテラン・プレイヤーたちがガッチリと生演奏でサポートする。 80'sブギー・ブームのその先を見つめた、リアル・ミュージック・フリーク喝采の一作。 ── 金澤寿和
今年後半の我が Light Mellow Searches シリーズで、既に大好評を得ているアル・サニーと同等にキリ入っているのが、このフィリッポことフィル・パーベリーニの本邦デビュー作。イタリア発の超大型新人で、本国では大メジャーのユニバーサルから、イタリア人で初めてのモータウン仕切りで10年前に一度デビューしている。同国主要アワードでは最優秀新人賞も獲得したそうだが、アーティストを育成する気のない大手レーベルに失望。自らがクリエイティヴ・コントロールを司る形で、再デビューのチャンスを伺っていた。
最初にある筋からデモ音源を聞かされたのが、もう1年近くも前だろうか、その完成度に度肝を抜かれ、コレは是非に日本リリースを!と切望したが、それがようやくこうして皆さんのお手元に届けられることになった。再デビューのキッカケを作ったは、敏腕エンジニアのトミー・ヴィカリ。彼の元に集まったデモ・テープの中から、相方サム・ロレンツィーニと組んだDouble Soul名義の音源が見初められ、ヴィカリから声を掛けられたのだ。彼らは08年頃から楽曲のデジタル・リリースを開始していて、15年にはオリジナルとビートルズ、ビル・ウィザース、アース・ウインド&ファイアー、ジャミロクワイ、アリシア・キーズ、ジョン・メイヤー、インディア・アリー、ジョン・レジェンド、グレゴリー・ポーターなどのアコースティック・カヴァーを収録したアルバムを配信リリースしている。並行してフィルは、DJのMacs Cortellaとのディープ・ハウス系ユニットJazzyFunkで、クレイグ・デイヴィッドやパリス・ヒルトンなどのショウや世界各地のクラブやディスコでDJプレイを披露。ソウルフルなカルテットのSoul 4 Soulsや、イタリア版Xファクターに参加した妹ヴァージニアをサポートするなど、再デビューまでの活動は多岐に渡った。
フィルの野望は、生演奏によるオールド・スクールR&Bのマジックを再構築すること。ヴィカリもそれに同調し、アレンジとアソシエイト・プロデューサーにグレッグ・マティソン、ヴォーカル・アレンジにロッド・テンパートンとジェフリー・オズボーンを立てた。この首脳陣はアルバム・コンセプトの構築にも深く関わり、特にグレッグ・マティソンは、ヴィカルが「彼抜きではこのアルバムはこれほど良くはならなかった」と言わしめるほどの貢献をしている。招集されたミュージシャンも、スティーヴ・フェローン(ds)、エイブ・ラボリエル(b)、ルイス・コンテ(perc)などレジェンダリーな顔ぶればかり。日系人シンガーのジュディス・ヒルは、マイケル・ジャクソン『THIS IS IT』ツアーに参加予定だった女性で、マイコーの急死直前まで一緒にリハーサルを重ねていた。そしてギターは親友サム・ロレンツィーニほか。
誰もがマイコー<Billie Jean>の激シブ・カヴァーに耳を奪われると思うが、これはフィルが温めていたアイディア。それを「アルバムに入れよう」と言い出したのはヴィカリで、そこにストリングスを加えるアイディアを出した。それをグレッグが気に入って、シンセで上手くまとめて…。
「僕のお気に入りのひとつで、僕の今までの名曲カヴァーでもベストのひとつ」とフィル。
幼少期からテンプテーションズやマーヴィン・ゲイ、ジャクソン5、マイケル・ジャクソン、スティーヴィー・ワンダーといったモータウン・ラヴァーで、毎日朝から晩まで歌っていたフィル。そこにジェイムス・ブラウンが入れば、彼のオールド・バッグはいっぱいになる。その一方でトム・ミッシュやジェイミー・ウーン、ジョーダン・ラカイらの動きにも気を配っているのは、やはり苦労人ならではだろう。でもこのアルバムを出したことで、彼が頭ひとつリードしたのは間違いない。クインシーやマイコーのような 80's ブラックにヤラレちゃった経験をお持ちの方は、是非チェックを怠らずに
最初にある筋からデモ音源を聞かされたのが、もう1年近くも前だろうか、その完成度に度肝を抜かれ、コレは是非に日本リリースを!と切望したが、それがようやくこうして皆さんのお手元に届けられることになった。再デビューのキッカケを作ったは、敏腕エンジニアのトミー・ヴィカリ。彼の元に集まったデモ・テープの中から、相方サム・ロレンツィーニと組んだDouble Soul名義の音源が見初められ、ヴィカリから声を掛けられたのだ。彼らは08年頃から楽曲のデジタル・リリースを開始していて、15年にはオリジナルとビートルズ、ビル・ウィザース、アース・ウインド&ファイアー、ジャミロクワイ、アリシア・キーズ、ジョン・メイヤー、インディア・アリー、ジョン・レジェンド、グレゴリー・ポーターなどのアコースティック・カヴァーを収録したアルバムを配信リリースしている。並行してフィルは、DJのMacs Cortellaとのディープ・ハウス系ユニットJazzyFunkで、クレイグ・デイヴィッドやパリス・ヒルトンなどのショウや世界各地のクラブやディスコでDJプレイを披露。ソウルフルなカルテットのSoul 4 Soulsや、イタリア版Xファクターに参加した妹ヴァージニアをサポートするなど、再デビューまでの活動は多岐に渡った。
フィルの野望は、生演奏によるオールド・スクールR&Bのマジックを再構築すること。ヴィカリもそれに同調し、アレンジとアソシエイト・プロデューサーにグレッグ・マティソン、ヴォーカル・アレンジにロッド・テンパートンとジェフリー・オズボーンを立てた。この首脳陣はアルバム・コンセプトの構築にも深く関わり、特にグレッグ・マティソンは、ヴィカルが「彼抜きではこのアルバムはこれほど良くはならなかった」と言わしめるほどの貢献をしている。招集されたミュージシャンも、スティーヴ・フェローン(ds)、エイブ・ラボリエル(b)、ルイス・コンテ(perc)などレジェンダリーな顔ぶればかり。日系人シンガーのジュディス・ヒルは、マイケル・ジャクソン『THIS IS IT』ツアーに参加予定だった女性で、マイコーの急死直前まで一緒にリハーサルを重ねていた。そしてギターは親友サム・ロレンツィーニほか。
誰もがマイコー<Billie Jean>の激シブ・カヴァーに耳を奪われると思うが、これはフィルが温めていたアイディア。それを「アルバムに入れよう」と言い出したのはヴィカリで、そこにストリングスを加えるアイディアを出した。それをグレッグが気に入って、シンセで上手くまとめて…。
「僕のお気に入りのひとつで、僕の今までの名曲カヴァーでもベストのひとつ」とフィル。
幼少期からテンプテーションズやマーヴィン・ゲイ、ジャクソン5、マイケル・ジャクソン、スティーヴィー・ワンダーといったモータウン・ラヴァーで、毎日朝から晩まで歌っていたフィル。そこにジェイムス・ブラウンが入れば、彼のオールド・バッグはいっぱいになる。その一方でトム・ミッシュやジェイミー・ウーン、ジョーダン・ラカイらの動きにも気を配っているのは、やはり苦労人ならではだろう。でもこのアルバムを出したことで、彼が頭ひとつリードしたのは間違いない。クインシーやマイコーのような 80's ブラックにヤラレちゃった経験をお持ちの方は、是非チェックを怠らずに