susan webb

昨日は 29日に【Light Mellow Searches】@P-VINE から発売される CRAC(クラック)をご紹介したが、【Light Mellow's Choice】@VIVID SOUNDS でも29日のリリースが2タイトル予定されている(韓国 Big Pink 再発盤の国内流通仕様)。その一方が、ジミー・ウェッブの妹スーザン・ウェッブのワン&オンリー作『BYE-BYE PRETTY BABY』(75年)だ。兄のアルバムには早くから参加していたが、その後ジミー関連のグレン・キャンベルやシェールのアルバムに参加。ジョニ・ミッチェルの名盤『COURT AND SPARK』でもデヴィッド・クロスビーとコーラスしていた。

この『BYE-BYE PRETTY BABY』のプロデュース&アレンジは、当然、兄のジミー。でも意外なことに彼からの楽曲提供はなく、カヴァーがアルバム中心を成す。その元ネタは、ベニー・グッドマンで知られるジャズ・スタンダードのタイトル曲以下、クロスビー・スティルス&ナッシュ、ジェシ・ウィンチェスター、ジョニ・ミッチェル、イアン・マシューズらの楽曲。<Tragedy>はメンフィスのグループ:トーマス・ウェイン&ザ・ディロンズによる59年の全米トップ5ヒットで、フリートウッズやブライアン・ハイランドでもリヴァイヴァル。ポール・マッカートニーも『RED ROSE SPEEDWAY』(73年)に収めるべくレコーディングしていたが、お蔵入りし、近年の拡大版でようやくお披露目された。また<Dance To The Radio>はギターのフレッド・タケットの楽曲で、兄ジミーも77年作『EL MIRAGE』で取り上げる。<If I Were A Sailor>は、ウェッブ家ゆかりのソングライターらしいポール・スカイラーの作品。そしてココにスーザン自身のオリジナル<Fingers>と<For You>が加わる。

参加ミュージシャンは、フレッド・タケット/ジェシ・エド・デイヴィス/ディーン・パークス、ジェイ・グレイドン/アルバート・リー(g)、ジェフ・ポーカロ/ジム・ゴードン/ジム・ケルトナー(ds)、ジョー・オズボーン/ポール・ストールワース(b)にハーブ・ペダーソン、シンガーのクライディ・キングなど。いわゆるレッキング・クルーの一派からAOR系まで。それでもスーザンのヴォーカルや澄んだ声質を最大限に生かすバンド・アンサンブルで、ナチュラルな作りがほのかな魅力を放っている。ジミーによるアレンジ&プロデュースで作品としての完成度を高めながら、スーザン自身が持つぬくもり感や愛くるしさをフワリと伝える。そうしたマイルドなプレAOR感覚が、このアルバムのキモだ。

その後もスーザンの名前は、ジミーのアルバムにクレジットされるくらいで、一度も華やかな舞台には登場しなかった。でもだからこそ、いつまでも愛おしくて瑞々しさを保っている歌声なのだと言えるのだろうな。