
インコグニートの牽引役ブルーイことジャン・ポール・モーニックの、5年ぶり3枚目のリーダー作がリリース。何かと露出が多いブルーイなので、「え、もうそんなに?」という感じだが、インコグニート、シトラス・ラス、そしてソロとかと冠をいろいろ取り替えつつ、奥様の里帰りも兼ねて(?)、年に2〜3度はジャパン・ツアーにやってくる。それでもインコグニートは毎回満員御礼状態だから、大した人気。このソロ作に続いては、夏にシトラス・サンのニュー・アルバムが控えているから、恐れ入る。
さて、それだけのプロジェクトを並行して回している昨今のブルーイだけに、その差別化がどうしても気になるところ。アバウトに言ってしまうと、インコグニートがヴォーカル陣を押し出した、踊れるアシッド・ジャズ〜ジャズ・ファンク路線。対してシトラス・サンは、もっとジャズ色が濃くてインスト中心。往年のジャズ・ファンク名曲も積極的に取り上げる。そしてブルーイ・ソロは、それらを両睨みしつつ、どちらにも当てはまらない彼の多様性をカタチにしている印象だ。
シトラス・サンがマット・クーパーを参謀にして、ゲストを招いたりする感があるのに対し、ソロの方はブルーイとリチャード・ブルが中心のプロジェクトというスタンス。その分プログラムも少なくないが、ブルーイ自身のギターやヴォーカルを大々的にフィーチャーして特徴を創出している。当然ヴォーカル・スキルには限界があるから、音の機微で表情をつけたり、若干マニアックで熟練度の高いサウンドになったりするワケだ。特に今作は、ブルーイとリチャード・ブルだけで、ほぼすべての楽器をプレイ。だからインコニートよりも先にオススメはしにくいところがあるけれど、違いが分かるリスナー、熱心なインコグニート・ファンには、逆に堪らんチンなアルバムになっている。
そうして音に心地よく身を任せていると、最後に出てくるボーナス・トラック<A Kiss On The Wind>にギクリ
ロイ・エアーズを髣髴とさせる耽美的メロウ・ミディアムなのだが、
スコシノシンボウ ヒガノボルマデ アメハツヅカナイ…
と、突然日本語が登場。ツタない言葉で、つぶやくように歌われる。まぁ、ファン・サービスのつもりなのだろうが、コレは正直、ちょっと賛否が割れそう。カナザワ的には、そのまま英語で歌ってくれた方が、何十倍も真っ直ぐ響いたな…
シトラス・サンがマット・クーパーを参謀にして、ゲストを招いたりする感があるのに対し、ソロの方はブルーイとリチャード・ブルが中心のプロジェクトというスタンス。その分プログラムも少なくないが、ブルーイ自身のギターやヴォーカルを大々的にフィーチャーして特徴を創出している。当然ヴォーカル・スキルには限界があるから、音の機微で表情をつけたり、若干マニアックで熟練度の高いサウンドになったりするワケだ。特に今作は、ブルーイとリチャード・ブルだけで、ほぼすべての楽器をプレイ。だからインコニートよりも先にオススメはしにくいところがあるけれど、違いが分かるリスナー、熱心なインコグニート・ファンには、逆に堪らんチンなアルバムになっている。
そうして音に心地よく身を任せていると、最後に出てくるボーナス・トラック<A Kiss On The Wind>にギクリ




今回は音が少なくいい意味で力が抜けているのに溌剌と感じる一方、過去2枚よりメロウですね。しかし確かにラストのボートラは私も今一つでした。
日本が超大好きな彼ですから、わかりやすく伝えたいという彼なりの日本人に対する心配りなのだと好意的に解釈しましたが、このサウンドに日本語はやっぱりアンマッチと感じてしまいました。英語圏の彼からするとそんな風には思わないのでしょうね。ここは感性の違いでしょうか。