
特に意味なくボブ・ジェームスの名盤『TOUCHDOWN』。録音が78年6〜9月で、その制作中に初のジャパン・ツアーを敢行。発売は同年12月だった。自身のレーベル:Tappan Zeeからの1作目『HEADS』が年初めにジャズ・チャートNo.1になったばかりのタイミングでもあり、まさに脚光を浴びる中でのリリースだった。カナザワにとっては、初めて意識して聴いたボブ・ジェイムスのアルバムだったはず。のちにCTI時代の<Take Me To The Mardi Gras>や<Farandole>を聴いて、「あぁ、TVやラジオに使われているアレもコレも、み〜んなボブ・ジェイムスだったのか

確かにあの頃のクロスオーヴァー/フュージョンは、テクニックの応酬、みたいなトコロがあった。人気の高いのはリターン・トゥ・フォーエヴァーとかウェザー・リポートなどで、リー・リトナー『GENTLE THOUGHTS』のダイレクト・レコーディングが話題の的。あんな超絶技巧をスタジオ・ライヴの一発録りでレコードにしちゃうなんて、ってな感じで。ジョージ・ベンソンも大人気だったけれど、ヴォーカル取るし、美味しいトコロはギター・ソロで持ってっちゃうし、ってコトで。
でもボブ・ジェームスは少し違って見えた。キーボード奏者としてはあまり自己主張せず、他のソロイストも併せてフィーチャーしながら、あくまでアンサンブルを聴かせていくタイプ。だからこそアレンジャーとして成功したのだし、プロデューサー的スタンスに立って自分のレーベルを立ち上げることができたのだろう。
このアルバムの参加メンバーは、デヴィッド・サンボーン(sax)、ヒューバート・ロウズ(flute)、エリック・ゲイル/ハイラム・ブロック(g)、ロン・カーター(ac-b)、ゲイリー・キング(b)、スティーヴ・ガッド/アイドリス・ムハマッド(ds)、ラルフ・マクドナルド/モンゴ・サンタマリア(perc)など。ゲートフォールド・ジャケを開くと録音メンバーのピンナップがあるが、みんな若くてビックリする。実際もう半数が鬼籍に入っているもんなぁ…。この後『ONE ON ONE』など、しばしば共演アルバムを作ることになるアール・クルーとのコラボも3曲で。ハイラムはチョロッと歌ってもいる。
米の人気TVドラマの主題歌<Angela>、そしてフュージョン・クラシックとなったタイトル曲などを収めた、ボブ・ジェームス代表作。それでもやっぱり一番シックリくるのは、彼の涼やかなエレキ・ピアノの音色だ。こうしたソフト・フュージョンは当然スムーズ・ジャズの元祖でもある。けれどこの頃のベテランにあって昨今の若手スムーズ・ジャズ勢に欠けるのは、こうした独自のプレイ・スタイル。音を聴いただけで誰の演奏か言い当てられるような個性や持ち味が、決定的に不足していると思ってしまうな。
でもボブ・ジェームスは少し違って見えた。キーボード奏者としてはあまり自己主張せず、他のソロイストも併せてフィーチャーしながら、あくまでアンサンブルを聴かせていくタイプ。だからこそアレンジャーとして成功したのだし、プロデューサー的スタンスに立って自分のレーベルを立ち上げることができたのだろう。
このアルバムの参加メンバーは、デヴィッド・サンボーン(sax)、ヒューバート・ロウズ(flute)、エリック・ゲイル/ハイラム・ブロック(g)、ロン・カーター(ac-b)、ゲイリー・キング(b)、スティーヴ・ガッド/アイドリス・ムハマッド(ds)、ラルフ・マクドナルド/モンゴ・サンタマリア(perc)など。ゲートフォールド・ジャケを開くと録音メンバーのピンナップがあるが、みんな若くてビックリする。実際もう半数が鬼籍に入っているもんなぁ…。この後『ONE ON ONE』など、しばしば共演アルバムを作ることになるアール・クルーとのコラボも3曲で。ハイラムはチョロッと歌ってもいる。
米の人気TVドラマの主題歌<Angela>、そしてフュージョン・クラシックとなったタイトル曲などを収めた、ボブ・ジェームス代表作。それでもやっぱり一番シックリくるのは、彼の涼やかなエレキ・ピアノの音色だ。こうしたソフト・フュージョンは当然スムーズ・ジャズの元祖でもある。けれどこの頃のベテランにあって昨今の若手スムーズ・ジャズ勢に欠けるのは、こうした独自のプレイ・スタイル。音を聴いただけで誰の演奏か言い当てられるような個性や持ち味が、決定的に不足していると思ってしまうな。