chaka khan_homecoming

チャカ・カーンの新作は、地元シカゴで収録されたライヴ『HOMECOMING』。3月に出ていたが、国内発売がないらしく、まったくと言っていいほど話題になっていない けれどチャカ好きならゲットして損はない充実の内容。知り合いはチャカ初の公式ライヴ盤として紹介していたけれど、映像(何故かDVDのみ)も同発で、収録も少し多いようだから、ココは映像作品として。どうせCDの音は、映像版の切り出しだろうし…。

これまではチャカのライヴ映像というと、81年『WHATCHA GONNA DO FOR ME』リリース時に、ほぼレコーディング・メンバーで臨んだロキシー・シアターでのライヴ『THE SIGNATURE DIVA(ライヴ・アット・ロキシー 1981)』の印象が鮮烈なのだけれど(14年前のポストはコチラから)、アチラはクラブ、コチラはホールなので、スケール感やステージングが全然違う。そりゃーアチラはブレッカーBros.を含むゴッツいメンバーなので、プレイの面白さは大きい。でもコチラはコーラス3人、ホーン3人、ギターと鍵盤各2人にリズム隊という総勢12人の大編成。シッカリ練り上げたライヴ・パフォーマンスを繰り広げている。バンマスは、しばらく前からチャカ・バンドを仕切っているメルヴィン・デイヴィス(b)。鍵盤の一人はチャカの弟マーク・スティーヴンス(元ジャマイカ・ボーイズ)。コーラスはティファニー・ローレンが時折フィーチャーされ、そのチャカに張り合うようなパワー・ヴォイスに驚かされるが、実は中心にいるのは元アンリミテッド・タッチのオードリー・ウィラー(現在ウィル・ダウニング夫人でもある)だ。

歌っているのは、ルーファス時代の曲を含め、ヒット曲オン・パレード。誰もが思い浮かべるチャカのヒット曲は、おおよそセットに入っている。去年シュートしたライヴだけれど、最新作『HELLO HAPPINESS』からは1曲もナシ。まぁ、それで正解と思える、フル・スロットルのパフォーマンスで、とにかくチャカの声がよく出ている。とてもとても御歳66歳とは思えない。若い頃は地声任せに吠える感じで、好不調の波が激しいイメージだったが、今はゆったり包容力を持って歌い切る。1曲だけ、アレサ・フランクリンへのリスペクトを込めて<Until You Come Back To Me>をギターとコーラスで歌っているのもニクいところ。

最近のジャパン・ツアーはライヴ・レストランで2回まわしが常なので、今度はフル・ステージが見たいな。