jim schmidt

ついこの間 初CD化されたばかりだと思っていたら、イヤイヤ、もう10年ぶりの再CD化と知ってビックリ。80年代のCCM名盤の中でもトップ10、イヤイヤ、トップ5に入れてもおかしくないような隠れ名盤が、コソッと復活しました。オリジナル・リリースは83年。でもブルース・ヒバードやロビー・デューク、トミー・クームスあたりとは違って、当時の日本へはロクにインポートされてなかったんじゃないかと思う。それなのに、10年前の初CD化も限定的なリイシュー(初CD化時のポスト) 確かそのあと追加プレスされたはずだけど、何れにせよ短期間で市場から消えていたアイテムだから、今回の再CD化はとても喜ばしい。紙ジャケ仕様で最新デジタル・リマスター。

前回記事にも書いたけど、一応メンバーを記しておくと、コーラス参加のリチャード・ペイジ&スティーヴ・ジョージを筆頭に、デヴィッド・ディッグス(kyd)、ポール・ジャクソンJr.(g)、ジョン・フェラーロ(ds)、レオン・ガイア(b)、デヴィッド・ボラフ(sax)+ホーン・セクションで、ほぼ固定。うちディッグスは一部アレンジも手掛けている。プロデュースとメイン・アレンジは、トランペット奏者でもあるテリー・ウィンチ。ゴスペル/CCMシーンでは知る人ぞ知る存在だけど、ボブ・ベイリーにドン・トーマス、ウィングス・オブ・ライトあたりに絡んでいて、その筋では気になる人だ。キース・トーマス、シーウインドのボブ・ウィルソン、そしてロビー・デュークから楽曲提供があるのは、きっと彼の人脈からだろう。特にロビー・デューク作品では、当時出たばかりだったソロ・デビュー作から<Promised Land>をカヴァー、もう1曲<Surer Of Myself>では、ロビー自らが参加してアコースティック・ギターとソロを弾いている。

そして今回、初めて気づいたのだが、このアルバムに5曲も提供しているティム・ホスマンというソングライター、こいつがチョイとワケありで。アルバム・タイトル曲を書いていたり、ジム・シュミット本人が唯一曲作りに参加したのが この人との共作だったりして、割とポジションが大きい。そこで検索してみるとこの人、ジェイ・グレイドンとランディ・グッドラムのユニット:JaR に絡んでいるでないの おそらくランディと繋がっているのだと思うが、2人と1曲共作し、また別の曲でオーケストレイションも手掛けている。このJaRのアルバム、ほぼジェイとランディ2人だけで作っていた(コーラス以外)ので、ほぼ唯一、外から参加したミュージシャンなのだ。

オマケに、この『SOMETHIN' RIGHT』でジムが歌った<Within' His Joy>は、元々CCMシンガー:スコット・ウェズリー・ブラウンが『SIGNATURE』(82年)という彼の代表的アルバムで歌っているのが元。そしてそのギター・ソロが、完全にジェイ・グレイドンしていてビックリなのだ(実際はダン・ハフのプレイだと思われる)。だから、何だか繋がってるな〜〜と。

ちなみにジムと1曲デュエットしているエディー・リーマンという女性シンガーは、シンセ・プログラマー:マイケル・ボディッカーの奥様になる人。ドン・トーマス『YOU'RE THE ONE』でも、印象的なデュエットを披露していたのを思い出す。元々ゴスペル・コーラスをやっていた人で、この頃はアレサ・フランクリンやタワー・オブ・パワー、リンダ・ロンシュタット、ジェイムス・イングラム、ピーボ・ブライソンにマドンナ、ドナ・サマー、ボズ・スキャッグス、松田聖子など、大物セッションで数多く歌っていた。

もっとも肝心のジム自身は、ゴスペル・クワイアー方面の仕事は続けたものの、2作目のソロ制作には至らず、90年代は映画方面の仕事へ。近年は教会で働きながら、クワイアーなどの指導にあたっているそうだ。

さて前回ポストでご案内したように、AOR Light Mellow Premium も出ることだし、これからは今まで以上にこうした再発モノも注力していかなくては