これは嬉しいライヴ映像作品のリリース。Charが13 年12 月にEX-THEATER ROPPONGIで開催したスペシャル・ライヴ3days、その最終日の模様を丸ごと収めた映像作品である。セットの内容は、1st〜3rdまでの初期作品の再現。最近のCharのライヴなんてまったく観てないが、自分は初期Charに思い入れが強いから、「これは観ておかないと!」と動いたものの、時すでに遅し。チケットはほぼソールドアウト、かろうじて入手できそうな日は自分のスケジュールが合わずで、泣く泣く断念したライヴだった。
収録曲から『Tomorrow Is Coming For Me』とサブ・タイトルが付けられた、この映像作品。その時のプレミアムなバンド・メンバーは、1st アルバム『CHAR』参加しているロバート・ブリル(ds)、初期の盟友:佐藤準(kyd)に加え、近年は共演機会の多い澤田浩史(b)、そして3rd 『THRILL』に参加したミッキー吉野(kyd)がゲスト、という顔ぶれ。1stのオリジナル・メンバーのうち、ジョージ・マスティッチ(b)とジェリー・マーゴシアン(kyd)は既に他界してしまったが、この準オリジナル・ラインアップのライヴは、76 年のアルバム発売から実に37年ぶりだったそう。特にロバート・ブリルの来日がハイライトで、彼はレコーディングでは『THRILL』まで参加していたが、一緒にツアーしたのは最初の1〜2回のツアーだけで、その後は辻野リューベンに引き継がれたそうだ。そのまま売れっ子セッション・ドラマーとして活躍していたロバートは、その後帰国。映画『トップガン』で大ヒットした<Take My Breath Away(愛は吐息のように)>でお馴染み、ベルリンに加入した。
ライヴはまさに3部構成で、それぞれ1st『CHAR』、2nd『HAVE A WINE』、3rd『THRILL』をフィーチャー。最初のMCで、「この度キャニオン・レコードの See Sawレーベルから山内テツさんと一緒にデビューしたCharです」みたいな人を喰ったコメントがあり、思わず吹き出す。白いスーツにムスタングという出で立ちも、なるほど、デビュー直後を思わせるもの。当時高校1年だった自分はその1stを即買いし、仲間内で「クソ生意気な新人だけど、カッコ良いギター弾くんだよな〜」と話していたものだ。
何曲かヌケがあったため、3枚のアルバム完全再現とはならなかったが、それを除くと曲順もほぼアルバム通り。1st セットが<Shinin' You , Shinin' Day>でスタートし、<かげろう><視線>と進めば、やはり歳を重ねても血湧き肉踊る。シグネイチャー・ソングである<Smokey>でさえ、このフォーマットでは1st 中盤に登場してしまうが、当時としては、それほど斬新で新しい感性を持ったロック・ギタリストだったのだ。それでいて<空模様のかげんが悪くなる前に>とか<朝>なんて、レア・グルーヴ世代にも再評価されている。やっぱりこの1stの破壊力は絶大だったな。
2nd『HAVE A WINE』の再現となるべき2ndセットは、ヌケ多め。個人的には<Sunday Night To Monday Morning>とか聴きたかったが…。代わりに演ったスタンダード<My Favorite Things>のカヴァーは、当時、JRのCM用にレコーディングされたもの。<The Leaving Of The Leaving>は映画『ブルー・クリスマス』 のサントラに提供したもので、 共にオリジナル・アルバムには未収だった。世良公則&ツイスト、原田真二と共に “ロック御三家” と呼ばれて歌番組に出没していた時期のヒット・シングルは、<逆光線>と<闘牛士>のみ。最初に売れた<気絶するほど悩ましい>は演っていない。前作をコピーしたような2作目だったけど、<ふるえて眠れ>はやっぱり好曲。反対に3rd Set の『THRILL』は完全再現。アルバムではCharバンドがA面、ゴダイゴがB面をサポートする作りだったが、このライヴではそれをちょうど良い案配で表現していた。
何れにせよ Charの初期3作は、ロック・ギタリストによる都市型表現としてピカイチの出来栄え。ジェフィ・ベックほどのインパクトはなかったかもしれないが、この時期にソロ活動していたギター弾きとしては、レス・デューデックやトミー・ボーリンと比すべき優れた作品を作っていたと思っている。だから時代を遡るようなジョニー・ルイス&チャーやピンク・クラウドに対しては、その心情は理解しつつも同調できなかった。結局、カナザワにとってのCharは今も初期3作に尽きるワケで。それを今に疑似ライヴ体験させてくれた映像として、これは何とも嬉しいリリースなのだ。
ライヴはまさに3部構成で、それぞれ1st『CHAR』、2nd『HAVE A WINE』、3rd『THRILL』をフィーチャー。最初のMCで、「この度キャニオン・レコードの See Sawレーベルから山内テツさんと一緒にデビューしたCharです」みたいな人を喰ったコメントがあり、思わず吹き出す。白いスーツにムスタングという出で立ちも、なるほど、デビュー直後を思わせるもの。当時高校1年だった自分はその1stを即買いし、仲間内で「クソ生意気な新人だけど、カッコ良いギター弾くんだよな〜」と話していたものだ。
何曲かヌケがあったため、3枚のアルバム完全再現とはならなかったが、それを除くと曲順もほぼアルバム通り。1st セットが<Shinin' You , Shinin' Day>でスタートし、<かげろう><視線>と進めば、やはり歳を重ねても血湧き肉踊る。シグネイチャー・ソングである<Smokey>でさえ、このフォーマットでは1st 中盤に登場してしまうが、当時としては、それほど斬新で新しい感性を持ったロック・ギタリストだったのだ。それでいて<空模様のかげんが悪くなる前に>とか<朝>なんて、レア・グルーヴ世代にも再評価されている。やっぱりこの1stの破壊力は絶大だったな。
2nd『HAVE A WINE』の再現となるべき2ndセットは、ヌケ多め。個人的には<Sunday Night To Monday Morning>とか聴きたかったが…。代わりに演ったスタンダード<My Favorite Things>のカヴァーは、当時、JRのCM用にレコーディングされたもの。<The Leaving Of The Leaving>は映画『ブルー・クリスマス』 のサントラに提供したもので、 共にオリジナル・アルバムには未収だった。世良公則&ツイスト、原田真二と共に “ロック御三家” と呼ばれて歌番組に出没していた時期のヒット・シングルは、<逆光線>と<闘牛士>のみ。最初に売れた<気絶するほど悩ましい>は演っていない。前作をコピーしたような2作目だったけど、<ふるえて眠れ>はやっぱり好曲。反対に3rd Set の『THRILL』は完全再現。アルバムではCharバンドがA面、ゴダイゴがB面をサポートする作りだったが、このライヴではそれをちょうど良い案配で表現していた。
何れにせよ Charの初期3作は、ロック・ギタリストによる都市型表現としてピカイチの出来栄え。ジェフィ・ベックほどのインパクトはなかったかもしれないが、この時期にソロ活動していたギター弾きとしては、レス・デューデックやトミー・ボーリンと比すべき優れた作品を作っていたと思っている。だから時代を遡るようなジョニー・ルイス&チャーやピンク・クラウドに対しては、その心情は理解しつつも同調できなかった。結局、カナザワにとってのCharは今も初期3作に尽きるワケで。それを今に疑似ライヴ体験させてくれた映像として、これは何とも嬉しいリリースなのだ。
99年に出た「I'm gonna take this Chance」も素晴らしいアルバムだと思います。