“白いディアンジェロ” の異名を取り、ジャイルズ・ピーターソンからの賞賛を受けて、UK経由で注目を浴びたジャロッド・ローソンの、実に 6年ぶりニュー・アルバム。Billboard Live Tokyoでライヴを観たのは、もう5年半も前のことだったか。ブラック・ライヴズ・マターに反応して、6月に<Embrace What We Are>を緊急配信リリースしたのは知っていたけど、昨年新しいプロジェクト:Orpheus を始動して、インストのミニ・アルバム『Visions』を出していたのは知らなかった。
デビュー作に対しての論調はネオ・ソウル目線のものが多かったようだけれど、ライヴを観た時に感じたのは、ホセ・ジェイムスやグレゴリー・ポーターら最近のジャズ・シンガーに近いニュアンス(当時のLive Reportはこちら)。実際、本作へのアチラのメディアの反応も、「グレゴリー・ポーターに次ぐジャジー・ソウル/ソウル・ジャズ・スター。間違いなく、彼のライバルになるだろう」(インディペンデント・オン・サンデイ)という調子だ。
自分が思ったのも、まさにそのベクトル。ソウルよりもジャズ色が濃いめで、しかもクロスオーヴァー・エッセンスが漂う。最近インスト・プロジェクトを始めたのも、そのプロセスに乗っているからだろう。そのうえ、近年人気を博している新世代ジャズ勢みたいにビートやコードの積みを過度にヒネるところがなく、刺激と聴きやすさがバランス良く同居している。ニュー・ジャズ勢は斬新すぎて…、という方でも自然に馴染める間口、キャパシティの広さがあるのだ。だからリピートして楽しめるし、聴く頻度も格段に高くなる。個人的にはダニー・ハサウェイと共通するモノを感じるので、フランク・マッコムのジャズ・ファンク的展開とも言えそう。
録音メンバーは、彼が住むポートランドのセッション・ミュージシャンたち。リズム隊には、現在同地に住んでいるジノ・ヴァネリのリズム隊(ドラム&ベース)も参加している。もちろんジノ作品みたいにドカスカと派手に攻めるワケではないけれど。一番有名なのは、70年代半ばから活躍しているニューヨークのベテラン・パーカッション奏者サミー・フィゲロア。単なるセッション参加ではなく、ライヴ・サポートもしているようなので、ジャロッド・サウンドに多様性を注入する役割を担っているのかもしれない。また<I'll Be Your Radio>は、若手のムーンチャイルドとのコラボレーション。
前振りもなく突然リリースされた感のあるニュー・アルバムだけど、個人的にはココ一番のヘヴィ・ローテーションになっている。
自分が思ったのも、まさにそのベクトル。ソウルよりもジャズ色が濃いめで、しかもクロスオーヴァー・エッセンスが漂う。最近インスト・プロジェクトを始めたのも、そのプロセスに乗っているからだろう。そのうえ、近年人気を博している新世代ジャズ勢みたいにビートやコードの積みを過度にヒネるところがなく、刺激と聴きやすさがバランス良く同居している。ニュー・ジャズ勢は斬新すぎて…、という方でも自然に馴染める間口、キャパシティの広さがあるのだ。だからリピートして楽しめるし、聴く頻度も格段に高くなる。個人的にはダニー・ハサウェイと共通するモノを感じるので、フランク・マッコムのジャズ・ファンク的展開とも言えそう。
録音メンバーは、彼が住むポートランドのセッション・ミュージシャンたち。リズム隊には、現在同地に住んでいるジノ・ヴァネリのリズム隊(ドラム&ベース)も参加している。もちろんジノ作品みたいにドカスカと派手に攻めるワケではないけれど。一番有名なのは、70年代半ばから活躍しているニューヨークのベテラン・パーカッション奏者サミー・フィゲロア。単なるセッション参加ではなく、ライヴ・サポートもしているようなので、ジャロッド・サウンドに多様性を注入する役割を担っているのかもしれない。また<I'll Be Your Radio>は、若手のムーンチャイルドとのコラボレーション。
前振りもなく突然リリースされた感のあるニュー・アルバムだけど、個人的にはココ一番のヘヴィ・ローテーションになっている。