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昨年、人気盤『ON THE BEACH』を含む80年代後半のアルバム群5作を一気にリイシューしたクリス・レアから、今度はかなり濃密な3枚組コンピレーションが届けられた。クリス・レアというと、もうかなりの数のベスト盤が出ていて、またか…、と思われるムキもおありだろう。でも今回は『ERA 1 -1978-1984-』というタイトル、そしてアートワークからも察せられるように、7インチ、12インチ、CDシングルなどのA/B面を集成し、そこにレア楽曲、新曲扱いの未発表曲などを追加した貴重な内容。しかも人気が出る以前の、デビュー作から6作目『WIRED TO THE MOON』までのキャリア初期が対象なので、後追いファンには嬉しいコンピとなっている。

とりわけ注目したいのは、disc 2に収められた『ONE FINE DAY』という未発表アルバムだ。80〜81年にレコーディングされたものだが、その時はリリースされずにお蔵入り。そのうち<Loving YOu>など何曲かが4thアルバム『CHRIS REA(ラヴィング・ユー)』のセッションで取り上げられ、再レコーディング・ヴァージンが収録された。残りの楽曲もいくつかシングルB面などに使われたが、大半は未発表のまま。ところが昨年、それがライノから1000枚限定でオフィシャル・リリース。さすがに入手できなかったファンが多かったが、これでようやくカタチになった。もっともサブスクでは、すぐに音源公開されていたけれど。

また改めて感じたのは、サウンドメイクが時制に応じて変化していたとしても、クリス自身のスタイル、音楽性には何のブレもない、ということ。打ち込みを導入したとか、人工的なリバーブで塗りたくられても、滋味溢れる楽曲の魅力はそのままだし、スモーキーな歌声や引きずるようなスライド・ギターにも変わりはない。そういうクリスのスタンスが、英国の音楽シーンで高く評価されてきたワケだ。それでいて、早くから12インチ盤を作ったり、リミックスにも前向きに取り組んできた。ハヤリに乗ることはしないけれど、シーン最前線への意識はシッカリと怠らない。だから信用できる。

時節柄、<Driving Home For Christmas>を耳にする機会が増えるけれど、クリスはソレと<On The Beach>だけじゃあ〜ナイのよ。